もしもあの日に戻れたのなら

もしもあの日に戻れたのなら

last updateLast Updated : 2025-01-22
By:   プリン伯爵  Updated just now
Language: Japanese
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Synopsis

現代

一人称

友情

天才

終末世界

裏切り

レベルアップ

2044年4月9日。 その日世界は崩壊した。 降り注ぐ隕石、崩れる高層ビル、燃え盛る住宅街、焼け爛れた道路を闊歩する異形な生物。 空が割れ、轟音が耳を劈く。 こんな世界にしたのは僕だ。 もうあの平和な日常には戻れない。 異世界と現世を繋いだために起きた悲劇。 城ヶ崎 彼方《カナタ》が繋いでしまった。 彼は何のために大きな代償を払うことになったのか。 魔法と科学が交わる先になにがあるのか。 これは世界の滅びを救うために動いた城ヶ崎 彼方《カナタ》と繋いでしまった異世界の物語である。

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もしもあの日に戻れたのなら(プロローグ)

〜プロローグ〜2044年4月9日。平和な世界は一変した。降り注ぐ隕石、崩れる高層ビル、燃え盛る住宅街、焼け爛れた道路を闊歩する異形な生物。空が割れ轟音が耳を劈く。無事な人を探すほうが難しいくらいだ。「助けて!!足が!!!」「なんだよこの化け物は!!うわぁぁぁ!」「痛いよぉ……」あちらこちらで、声が聞こえる。僕は手を差し伸べる事もせず、そんな声を聞き流し目的地へと足を進める。横を見れば黒髪の女性が悲しそうな目で周囲を見渡す呟く。「何人死んだんだろう……」そんな呟きも聞き流し、歩き続ける。もう望みはあそこにしか残されていない。何もかもが昨日の風景とは違う。何処を見渡しても阿鼻叫喚。もう、元には戻れない。全ての元凶である僕には、ただ静観するほかなかった……――――――  2043年9月2日。光が丘科学大学4回生、城ヶ崎 彼方《カナタ》。僕は近未来科学科に所属し、文明の発展に役立つ知識や技術を学んでいる。難しい事をしているように聞こえるが、ただ時代の最先端を知りたいから、なんて単純な動機で入っただけだ。昔は空飛ぶ車なんて物は出来たばかりで運用には至ってなかったみたいだが、今じゃ何処を見上げても車が飛んでいる。ちなみに僕は免許がないから乗ったことがない。両親は高校生の時に事故で亡くなったが姉と二人暮らしでなんとかやっていけてる。ただそんな姉もそろそろ弟離れしてほしいんだけどな……「カナター!ちょっと来てー!」ご近所さんに聞こえるほどの大声で2階の自室から僕を呼んでいるのは社会人2年目でアパレルショップで働いている城ヶ崎 紫音《シオン》。「姉さ...

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もしもあの日に戻れたのなら(プロローグ)
〜プロローグ〜 2044年4月9日。平和な世界は一変した。 降り注ぐ隕石、崩れる高層ビル、燃え盛る住宅街、焼け爛れた道路を闊歩する異形な生物。空が割れ轟音が耳を劈く。無事な人を探すほうが難しいくらいだ。「助けて!!足が!!!」「なんだよこの化け物は!!うわぁぁぁ!」「痛いよぉ……」あちらこちらで、声が聞こえる。僕は手を差し伸べる事もせず、そんな声を聞き流し目的地へと足を進める。横を見れば黒髪の女性が悲しそうな目で周囲を見渡す呟く。「何人死んだんだろう……」そんな呟きも聞き流し、歩き続ける。もう望みはあそこにしか残されていない。  何もかもが昨日の風景とは違う。何処を見渡しても阿鼻叫喚。もう、元には戻れない。全ての元凶である僕には、ただ静観するほかなかった……  ――――――  2043年9月2日。光が丘科学大学4回生、城ヶ崎 彼方《カナタ》。僕は近未来科学科に所属し、文明の発展に役立つ知識や技術を学んでいる。難しい事をしているように聞こえるが、ただ時代の最先端を知りたいから、なんて単純な動機で入っただけだ。昔は空飛ぶ車なんて物は出来たばかりで運用には至ってなかったみたいだが、今じゃ何処を見上げても車が飛んでいる。ちなみに僕は免許がないから乗ったことがない。両親は高校生の時に事故で亡くなったが姉と二人暮らしでなんとかやっていけてる。ただそんな姉もそろそろ弟離れしてほしいんだけどな…… 「カナター!ちょっと来てー!」ご近所さんに聞こえるほどの大声で2階の自室から僕を呼んでいるのは社会人2年目でアパレルショップで働いている城ヶ崎 紫音《シオン》。 「姉さ
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世界を騙した男①
バスに揺られること15分。隣には黒髪でショート、整った顔で誰もが見惚れる姉、紫音がいる。「緊張するなー自分が壇上に立つわけじゃないけどテレビとかも来るんでしょ?カナタは緊張してる?」落ち着きがない様子で僕の顔を覗き込んでくる。実際緊張してない訳がない。著名な科学者や研究者も来るし、テレビも来る。もちろん取材とかもされるだろうし生中継もされるって話も聞いてる。「もちろん緊張してるよ。流石に全世界に向けて話すんだから緊張しない訳がないよ」天才だろうが、僕は一介の大学生。今までテレビなんて出たことないし、著名な人達とも顔を合わせたことがない。ここまで大げさになるなんて、著名人の言葉は重いんだなと実感する。今日の朝もテレビで、[異世界は存在する!?そもそも行くことが出来るのか!?][科学者の五木さんが理論上可能と大胆発言!]なんてテロップが流れて芸能人が騒いでたな。誰だよ五木さんって。「姉さんも覚悟しといた方がいいよ。僕の身内ってだけで取材されるだろうから」「ええー!?聞いてないよそんなの!」「考えたら思いつく事じゃないか、一介の学生が世界に向けて発言するのに姉さんには何にも聞いて来ない訳がない」記者も僕の素性やプライベートではどういった生活をしているのか、なんて所まで知ろうとしてくるだろうし、一番身近な姉に聞くのは当たり前だろう。「次は、国際大会議場前〜」目的地を読み上げる運転手。窓に顔を向けると白く大きな3階建ての建物が見えてきた。バスを降りるとどこを見てもテレビカメラや取材陣で溢れている。僕を見つけた1人の記者が駆け寄ってきた。「彼方さん御本人ですね?」顔はもう出回ってるから知ってるくせに、と思いつつも真面目な顔で答える。「はい、本人です」その一連のやり取りを見ていた他の記者やテレビカメラも寄ってくる。「すみません、時間が押してるので取材はまた後でお願いします」断りを入れて、人をかき分けつつ会場へと足を運ぶ。「私を置いてくなーカナター!」残念、姉は取材陣に囲まれてしまったようだ。僕の代わりに適当に答えてくれ、申し訳ない。と、心にも思っていないが軽く両手でゴメンの合図を送って先に会場入りをした。――――――五木隆は若くして先進科学分野で実績を残した著名人である。反重力装置の開発に成功し、宇宙探査に大きく
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世界を騙した男⑤
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