転生吸血姫

転生吸血姫

last update최신 업데이트 : 2025-04-15
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遊び人男が女に刺殺されて転生したのは吸血鬼の王女。城に住み臣下がいて美少年に愛され幸せに見えたが...国の経済状況はひっ迫していた。何とかするにはある国との関係回復が必須。その国には三人の王子がいる。どれも一筋縄ではいかないイケメン王子様!絶世の美少女となった主人公が遊び人だった前世を活かし彼らを虜にして国を救う!? 男女逆転(TS)転生!ロマンスコメディ・ゴシックファンタジーが幕を開ける!

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ep1 プロローグ

この物語を始めるにあたり、始めにいささかの説明を必要とせざるを得ないことがある。それは主人公となるヒロインについてだ。なぜなら、彼女には三つのややこしい事情が存在するからである。ひとつは転生者であること。ひとつは転生前の記憶と人格をそのまま保持していること。ひとつは吸血鬼であること。まずは、上記のことを踏まえた上で彼女のことを見ていただければと、お伝えしたい。それともうひとつ。彼女について、あらかじめご了承願いたいことがある。それは、彼女の転生前については多くを語りたくないということだ。理由は簡単だ。転生前の彼女...否、彼は、最大限言葉を選んで言えば、バカのつく遊び人だったからである。彼の特徴は二つ。長所→女にモテること。短所→女グセが悪いこと。さて、ここで簡単な算数の問題を考えてみよう。例えば「+10」と「ー10」があった場合に、それらを「かける(×)」とどうなるか?「ー100」だ。すなわち、それが彼である。そして大きくなった彼のマイナスは、いつしか彼の身に降りかかることになった。いや、こんな格好つけた表現、コイツにはいらない。彼は持ち前の女グセの悪さが災いし、数えきれないほど遊びまくった挙句に痴情の縺れで刺殺され、まだ若くしてその人生を終えたのである。どうだろう。おわかりいただけたであろうか。ヒロインの転生前について語りたくなかった理由が。叩けば埃が出まくりなのだ。そんなヤツが、何の因果か異世界の吸血姫に転生してしまったというのだから、この世はまことに奇妙というもの。いずれにしても......。新たな人生を歩んでいく彼女がどうなるのか。前世を反省して悔い改めるのか。前世を省みずバカを続けるのか。それはまだ誰にもわからない。そんな彼女を、あたたかい目で見守るも、冷たい目で突き放すも、皆様の自由です。しかし、願わくば皆様が、彼女の行く末に、どうか一喜一憂し賜らんことを。...

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20 챕터
ep1 プロローグ
この物語を始めるにあたり、始めにいささかの説明を必要とせざるを得ないことがある。それは主人公となるヒロインについてだ。なぜなら、彼女には三つのややこしい事情が存在するからである。ひとつは転生者であること。ひとつは転生前の記憶と人格をそのまま保持していること。ひとつは吸血鬼であること。まずは、上記のことを踏まえた上で彼女のことを見ていただければと、お伝えしたい。それともうひとつ。彼女について、あらかじめご了承願いたいことがある。それは、彼女の転生前については多くを語りたくないということだ。理由は簡単だ。転生前の彼女...否、彼は、最大限言葉を選んで言えば、バカのつく遊び人だったからである。彼の特徴は二つ。長所→女にモテること。短所→女グセが悪いこと。さて、ここで簡単な算数の問題を考えてみよう。例えば「+10」と「ー10」があった場合に、それらを「かける(×)」とどうなるか?「ー100」だ。すなわち、それが彼である。そして大きくなった彼のマイナスは、いつしか彼の身に降りかかることになった。いや、こんな格好つけた表現、コイツにはいらない。彼は持ち前の女グセの悪さが災いし、数えきれないほど遊びまくった挙句に痴情の縺れで刺殺され、まだ若くしてその人生を終えたのである。どうだろう。おわかりいただけたであろうか。ヒロインの転生前について語りたくなかった理由が。叩けば埃が出まくりなのだ。そんなヤツが、何の因果か異世界の吸血姫に転生してしまったというのだから、この世はまことに奇妙というもの。いずれにしても......。新たな人生を歩んでいく彼女がどうなるのか。前世を反省して悔い改めるのか。前世を省みずバカを続けるのか。それはまだ誰にもわからない。そんな彼女を、あたたかい目で見守るも、冷たい目で突き放すも、皆様の自由です。しかし、願わくば皆様が、彼女の行く末に、どうか一喜一憂し賜らんことを。
last update최신 업데이트 : 2025-03-14
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ep2 目覚め
まぶたをひらくと、彼女の目に飛び込んできたのは、美少年の白い顔だった。「......お、王女が、目覚めた!?」彼女の顔を覗き込んでいた美少年は、小刻みに震えだした。今の今まで一度たりとも目覚めることのなかった彼女の麗しい寝顔は、決して触れてはいけない神聖な宝石。それが今、本来の輝きを取り戻して眩い光を放つように、紅い瞳を彼に向けてきたのだ。「......お、おまえ、だれ?」彼女は彼を見て言った。しかし彼は何も答えられなかった。彼女の声を聞いた瞬間、感動が頂点に達し、わずかな言葉が口から出ることすらも困難になってしまったから。美少年はよろよろと後ずさって床に尻餅をついた。「?」何が何だかわからない彼女は、疑問を浮かべながら、ゆっくりと上体を起こした。頭がボーッとした。何かとてつもなく長い眠りから覚めたような、あるいは衝撃的な悪夢から醒めたような、感じたことのない気だるさがあった。「てゆーか、ここどこなんだ。病院なのか......?」彼女は天蓋のかかった大きなベッドから出て、部屋を見回した。やけに高い天井。やけに広い室内。妙に趣きのある西洋の古風な屋敷のような部屋は、とても日本とは思えない。「お、王女様......!」やっと立ち上がった美少年が、いきなり彼女の足元へ跪いた。「え?」彼女はぎょっとする。「な、なに」「お、王女様。いえ、リザレリス王女殿下!」美少年の声が広い部屋に響く。「......は??」彼女はマヌケな声を洩らして、ポカーンとする。「私は今すぐディリアス様へ知らせて参りますので、ここでしばしお待ちくださいませ!」そう言って美少年はうやうやしく頭を下げてから、部屋を飛び出していった。「な、なんなんだよ、いったい」寝耳に水とはまさにこのこと。彼女には何が何だかさっぱりだった。「そもそも、なんで俺が王女様なんだよ......」そう呟いた次の瞬間、彼女はハッとする。突如としてあらゆる違和感が怒涛のように押し寄せてきた。「俺......俺じゃない!?」
last update최신 업데이트 : 2025-03-14
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ep3 王女
【1】彼女の名前はリザレリス・メアリー・ブラッドヘルム。この国〔ブラッドヘルム〕の建国者である伝説の吸血鬼ヴェスペリオ・リヒャルト・ブラッドヘルム王を父に持つ、吸血鬼のプリンセスである。かつてブラッドヘルム王からプリンセス・ロイヤルの称号も与えられているリザレリスは、まさしく正統なる終身の吸血姫だ。「あ、あのぉ......」気がつけば舞台衣装のような宮廷ドレスにティアラまで被せられ、促されるがままに玉座へ座らされていたリザレリスは、ひたすら当惑していた。彼女の眼前には真紅の絨毯が川のように伸び、それを挟んで城の者たちがズラッと総出で片膝をついている。数段高い玉座から、彼女が彼らを見下ろす光景は、まさに王女と家来たちの構図といったところだ。ただし家来たちに、それを強制されたような様子は微塵もうかがえない。むしろ抑えきれない王女殿下への拝謁の喜びを堪えているように見える。というのも......。ついさっきまで、城中てんやわんやの大騒ぎとなっていたからだ。ついに五百年の眠りからリザレリス王女が目覚められたと。その間、当のプリンセス本人は現実についていけず、ただただ狼狽するのみだったが。「王女殿下。どうかお言葉を」彼女の隣に寄り添って立つ、この眼鏡をかけた長身痩躯の年配紳士はディリアス。彼は王女の側近となる人物だ。「そ、その、ディリアス」「なんでございましょう」「い、いや、なんでもない」リザレリスの頭の中の混乱は一向に収まっていない。前世で刺されて死んだ男が、どこぞのお姫様に転生した。それは理解した。だが、理解はしても受け止めきれていなかった。「......てゆーか、なんで前世の記憶も人格もそのままで、このリザレリスとかいう女のそれはまったくないんだ?」思わず口をついて出てしまう。はたとしたリザレリスは、ディリアスの顔を見上げた。ディリアスはきょとんしている。「王女殿下。なんとおっしゃいましたか?」彼の顔を見つめながらリザレリスは逡巡するが、すぐに覚悟を決めた。というより、すでにもう面倒臭くなったのだ。「俺の言葉だけど......」リザレリスはすっくと立ち上がった。一同の視線が、彼女の光輝で麗しい姿へ集中する。美しい黄金の長髪に薔薇のような紅い瞳。それらをより際立たせる透き通るような白い肌。まだ十代のうら若き乙女に見えながら
last update최신 업데이트 : 2025-03-14
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ep4 新たな人生
「私としたことが、つい舞い上がって先走ってしまいました。大変申し訳ございませんでした......」自室に戻ってベッドに腰かけたリザレリスは、中年紳士のディリアスから深々と頭を下げられた。彼のロマンスグレーの頭髪がリザレリスの瞳によく映る。「よくよく考えればわかることでした」むっつりとしたまま答えないリザレリスに向かい、ディリアスが顔を起こした。「リザレリス王女殿下は五百年間も眠ったままだったのです。記憶を失くしていたとしても不思議ではありません。たとえ記憶を失くしていなかったとしても、混乱は避けられなかったでしょう。五百年前がどうだったのか。私は残された記録によってしか知りません。ですので実際にどうであったのかはわかりませんが......きっと今とは世界も大きく異なったのでしょう。とりわけブラッドヘルムは......」そしてディリアスは床へ膝をつくと、リザレリスへ、知るべきと思われることを語った。世界のこと。吸血鬼のこと。ブラッドヘルムのことを......。「......ということです。臣下の者たちへリザレリス王女殿下をお披露目する前に、こうして私から殿下へきちんと説明すべきでした。本当に申し訳ございませんでした」ディリアスは再び頭を下げた。しばらく彼を見つめてから、不意にリザレリスがすっと立ち上がった。ディリアスは顔を起こす。「王女殿下?」リザレリスは部屋の中を進んでいくと、姿見の鏡の前で立ち止まった。「これが、今の俺......」正直、しっかりと説明を受けたところで、やはり受け止めきれない。質問したいことも山ほどあれば、頭に入ってすらこないことも多くある。そもそも、考えるのも面倒だった。この世界がどうとか、国がどうとか、吸血鬼がどうとか言われても、他人事のようにどうでもよく思える。だって自分は日本人の青年で、女にモテて、日々を充実して過ごしていたんだ。最後の最後で女に刺されてしまったけれど、それまでは本当に楽しくやっていたんだからーー。リザレリスの頭と心には、未だに前世への未練が色濃く残っていた。だが、鏡に映る絶世の金髪美少女をじっくりと眺めているうちに、ふと新たな想いが湧き起こってくる。「美人のお姫様、か」実際の吸血鬼というものがどんなものなのかは、まだよくわからない。だけど、美人のお姫様の人生というのは、悪くないんじゃないか
last update최신 업데이트 : 2025-03-14
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ep5 生け贄
【2】桟橋のように長々と伸びたテーブルの上座(お誕生日席)に着いたリザレリスは、豪勢な料理の数々が運ばれてくるなりガツガツと食べ始めた。「うん。まあまあイケるな」野菜から肉から次々とむさぼっていく彼女の姿は、王女というより育ち盛りの体育会系中学生男子のようだった。お行儀もお作法もあったもんじゃない。側近のディリアスをはじめ家臣たちは皆、暴食のプリンセスを唖然として見守っていた。「ふーっ、食った食ったぁ」食事を終えたリザレリスは、グダっと背もたれに体を預けてディリアスへ視線を投げる。「食後のデザートは?」 そんなおてんばプリンセスの態度に対しても、中年紳士ディリアスの対応はやけに落ち着いていた。「もちろんでございます。只今ご用意いたします」ディリアスが部下へ目配せをし、部下は速やかにどこかへ移動していく。しばらくして部下が戻ってくると、リザレリスは「ん?」となる。「王女殿下。食後のデザートでございます」ディリアスがそれを、着座するリザレリスの横にひざまずかせた。それは食べ物にあらず。王女へ差し出されたのは、端麗なる女のように美しい、十五歳の銀髪の少年だった。「お、おまえはたしか」リザレリスは彼を知っていた。「そうだ。俺...じゃくて、わたしが目覚めた時に最初に目にしたヤツだ」「さようでございます。私のような者ごときが王女殿下を驚かせてしまい大変申し訳ございませんでした」美少年はうやうやしく受け応えた。「で、コイツがなんなの?」リザレリスが尋ねると、ディリアスはそっと美少年の肩に手を置いた。「王女殿下のためにご用意いたしました、極上のデザートでございます」「は?」リザレリスは首をひねる。「意味がわかんないんだけど」「こちらはリザレリス王女殿下が目覚めた時のためだけにご用意していた、この時代のこの国でご用意できる最高の生け贄でございます」ディリアスの眼鏡の奥の眼が妖しく光った。「い、いけにえ?」その強烈なワードに思わずリザレリスはオウム返しをしてしまう。「こちらの者、エミル・グレーアムは、女性吸血鬼が元来好む若くて美しい人間の男性ということのみならず、類い稀な魔力も保有しております」ディリアスが説明すると、エミルという名のその美少年は、細長いまつ毛の間から優しそうな大きい目をリザレリスへ向ける。容姿端麗なる女のような
last update최신 업데이트 : 2025-03-14
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ep6 正統なる吸血姫
「えっ、わたし、なんかマズった?」リザレリスにはなんの悪気もなかった。むしろ他意もなく素直で正直と言えよう。「王女殿下」気を取り直したディリアスは改まった口調で答える。「我々は、初代ブラッドヘルム王が何処へと去っていってしまってから五百年間、別の王を立てながらもリザレリス王女殿下の目覚めをずっと信じ、何代にも渡って待ち続けていたのです」「そ、それはさっき聞いたけど」「なぜ我々がそこまで、眠り姫となった王女殿下の目覚めを待ち続けたと思いますか?」「な、なんだろ。特別だから?」「さようです!リザレリス王女殿下!貴女は特別なのですよ!」急にディリアスのスイッチが入った。顔つきの変わった中年紳士にリザレリスはにたじろぐ。「は、はい?」「ブラッドヘルム王なき後のこの国を、再び誇り高き吸血鬼の国として再興できるのは、正統なプリンセスである貴女しかいないのです!」「は、はあ」「今の王女殿下にはおわかりにならないでしょう。現在の〔ブラッドヘルム〕の窮状を」ディリアスの表情に深刻さが帯び始める。「きゅうじょう?貧乏ってこと?」リザレリスの質問に、ディリアスは重々しく頷く。「これはまだ説明を控えていたことです。王女殿下がショックを受けてしまわれないために」「えっ、ひょっとしてこの国、ヤバいの?」リザレリスの胸に不安が立ちこめる。「はい。現在、我が国の経済は逼迫しております」「ま、まさか、破綻寸前とか?」「長年の友好国であった〔ウィーンクルム〕との貿易が完全に打ち切られてしまったなら、あるいは......」ディリアスは明言を避けた。だが意味は明白だった。リザレリスは落ち着きなく視線を彷徨わせてから、ガタンと立ち上がる。「じゃあ俺...わたしは、今にも滅びそうな、没落した吸血鬼の国の王女様ってこと?」リザレリスの辛辣な物言いにも、ディリアスは頷くしかなかった。「滅びると決まったわけではありませんが......」「いや、ちょっと待ってくれ」ここでリザレリスは頭の中で話を整理する。状況はわかった。しかし、伝説の吸血鬼の娘の正統なプリセンスが復活したというだけで、果たして国が再興できるものなのか?「王女殿下」そこへリザレリスの心中を察したようにディリアスが言う。「我々ブラッドヘルム国民にとって、初代国王ヴェスペリオ・リヒャルト・ブラッドヘルム
last update최신 업데이트 : 2025-03-14
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ep7 王女は窮屈
大理石の豪華な風呂から上がったリザレリスは、侍女たちから服を着せられるのを必死に耐えていた。「これぐらい自分でやるし......」「何をおっしゃいますか。記憶を失っていらっしゃるとはいえ貴女は王女殿下なのですよ」特別侍女長のルイーズがリザレリスに注意を入れる。まるで女教師といった雰囲気の彼女は、特別にリザレリスの専用世話係に急遽抜擢されたベテラン侍女である。すでにリザレリスは彼女のことを苦手に思っていた。「てゆーか俺...わたしって、王女殿下なんだろ?だったらあんたより偉いってことなんじゃないの?」リザレリスがうんざりした口調で言うと、ルイーズの眼光の鋭さが一段と増した。「だからこそなのですよ!」「どゆこと?」「貴女は高貴なる王女殿下。正統なるヴァンパイアプリンセス。相応しい振る舞いをしていただかないと我々が困ってしまうのです」「ヴァンパイアプリンセスの振る舞いって、血をすすること?」リザレリスは悪戯っぽくペロンと舌舐めずりをして見せた。そんな彼女のじゃじゃ馬っぷりに、ルイーズの表情はいかにも引き締まる。「これから私がきっちりと仕込んで参りますので、覚悟なさってください」「うわぁ、シャレも通じないのか」「......なんでございましょう」「なんでもないですよーだ。じゃ、もう服着たから部屋に戻るぞ」「髪の毛がまだです!」「まだやんの??」「きちんとお手入れいたしませんとせっかくの美しいブロンドヘアーが台無しになってしまいます!」「いいじゃん、もう寝るだけなんだし」「今日のためだけではありません!」「うわぁ、メンドクサイ......」「はい!?」「いえ、なんでもないっす......」鬼のマナー講師とでも言わんばかりのルイーズの様相は、ますますリザレリスをげんなりさせた。・寝室に戻ってきて一人になると、リザレリスはふかふかの大きなベッドに顔からぼふんと倒れ込んだ。シーツも布団も枕も新調されていた。「王女様って、なんか疲れるなぁ」もぞっと寝返りを打って仰向けになり、自分の胸を触った。「風呂入って裸を見ても全然興奮しなかった。自分の体だからなのか、女になっちゃったからなのか。自分で言うのもアレだけど、前世じゃ女好きだったのになぁ〜」なんだか途端につまらない気分になってくる。なんなら男でも誘惑してみようか。そんなことさえ
last update최신 업데이트 : 2025-03-14
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ep8 逃走
これから秘密の夜会へと出かけるように寝間着から着替えたリザレリスは、隙をついてこっそりと部屋を忍び出た。コソドロのようにひたひたと、薄暗くなったヴァンパイア宮殿の、広い廊下と階段を進んでいく。その途上だった。リザレリスは、前方にある一室の前でディリアスの姿を視認すると、柱の影にサッと身を潜めた。そこから彼女は、死角となる位置を見極めながら、そ〜っと近づいていき、耳をそばだてる。なぜ彼女は、そんな危険な行動を取るのだろうか?「俺...わたしのことを、話しているよな......?」そう。ディリアスは何やらただならぬ雰囲気で小太りの重臣と話し込んでいるのだが、その内容はリザレリスについてのことらしかった。しかも聞こえてくる会話の断片から推察するに、王女を議題にした会議後だったようだ。終了し退室してからも深刻に話し込むのは、その会議が相当に紛糾したからであろうか。 「まあ王女だから、そりゃ重臣たちで会議もするよな......」そう考えて納得するも、リザレリスはどこか腑に落ちない。というのも......。ディリアスによれば、現在の〔ブラッドヘルム〕は王不在だという。つい先日、王が崩御してしまったからだ。なので、数年前に王が病床に伏してから今に至るまで、ディリアスが摂政として内政も外交も取り仕切っていた。そして王に世継ぎはなく、未だ次期国王も定まっていない。まさにそのタイミングで、リザレリスは目覚めたのだった。これは〔ブラッドヘルム〕にしてみれば、天佑と言っていいだろう。さて......。このような状況で、目覚めた王女についての会議を、果たして王女抜きでやるだろうか?「くそ。もっと近づかないとちゃんと聞こえないな......」そう思ったリザレリスが、これでもかと耳を伸ばした時だった。「それでも王女殿下の政略結婚には最大限慎重であるべきだ!」ディリアスが語気を荒げて大声を上げた。次の瞬間、リザレリスの口から無意識に声が洩れる。「えっ??」即座にリザレリスはハッとして、両手で口を塞いだ。それからそっと後ずさると、その場から離れようときびすを返した。とその時。彼女の視界の先に、ちょうど廊下の角から曲がって出てきた侍女長が現れる。「王女殿下?」動こうとするも間に合わなかった。ルイーズはリザレリスの姿を確認するなり、呼びかけながら近づいてきた。
last update최신 업데이트 : 2025-04-01
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ep9 悪い心
「失礼いたしました。王女殿下」そう言ってエミル・グレーアムがリザレリスを降ろした場所は、城の屋上だった。あまりに速すぎて、どうやってここまで来たのかリザレリスにはわからなかった。「い、今のはなんだったんだよ。スゲー動きだったぞ?」「私の特技のひとつです」「特技?」「ディリアス様からご説明はございませんでしたか?」「......あっ、ひょっとして魔法とか?」「はい」「へー、そうだったのか」リザレリスはこの辺のことをあまり深く考えていない。おそらく前世の人格のせいだろう。「驚かせてしまいまして申し訳ございません」エミルは深く頭を下げた。「もういいよ。てゆーか、こんな所に連れてきてなんのつもりだよ。意味わかんねーよ」さっそくリザレリスが文句をつける。エミルは申し訳なさそうにはにかんで返してから、手すりに寄
last update최신 업데이트 : 2025-04-02
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ep10 誠実
「!!」エミルは大きく目を見開いてから、再び目を逸らした。言葉が返せないのは、相手が王女だから否定できないのか、図星だから否定できないのか。いずれにしても、エミルの彼女への想いには、並々ならぬものがあるのは間違いなかった。「ふーん。じゃあさ。こうしたらどうだ?」次にリザレリスの執った行動は、エミルを驚愕させる。「お、王女殿下、い、いったいなにを......」エミルの狼狽は極限に達した。なぜなら彼の手が、王女の胸のふくらみに当てられたからだ。「おまえ、わたしとヤリたいんじゃねーの?」リザレリスの意地悪い魔女のような眼差しがエミルに突き刺さる。「お、おやめください」もはやエミルにはそれしか言うことができない。「ヤリたいかヤリたくないか、どっちだよ」「お、おやめください」「どうせ男はヤリたい生き物なんだ。
last update최신 업데이트 : 2025-04-03
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