黒の騎士と未来を視る少女

黒の騎士と未来を視る少女

last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-15
Oleh:  スナオBaru saja diperbarui
Bahasa: Japanese
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黒の騎士は一人じゃない……。これはもう一人の黒の騎士の物語。 若き皇帝の側近として働く“黒の騎士”アルファ。 彼は“箱舟教団”から1人の少女を救出することになる……。 その少女は未来を“視る”目を持っていて……。 天使と魔王が暗躍する世界の中、騎士と少女のラブストーリーが始まります! イラストレーター ヨリ  保育士の傍ら別名義で作品制作を行う。  Instagramアカウント @ganga_ze

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第1話 出逢い

 第57番世界、通称エデン――始まりの者が57番目に訪れた楽園という伝説からそう呼ばれている――。 そこには豊かな土地と鉱物資源、そして強大な兵力で他国に差をつける大帝国――ローズ帝国――があった。その帝国を支配する皇帝の名をローゼス、その右腕となる騎士の名をアルファという。 ローゼスは金髪碧眼の青年で、まだ皇太子と呼べるほどに若い、ギリギリ20歳に見えるような見た目だった。目鼻立ちのすっきりとした美男子で、長い手足を少し邪魔くさそうにしている。その服装は白を基調に金糸をあしらった豪華なつくりだった。 対してアルファは髪も目も黒曜石のように黒く、服は黒地に銀糸をあしらった騎士礼装で、彼も同じ年くらいの若々しさだった「のう、我が騎士よ」「なんでしょう、皇帝陛下」 玉座に腰かけ、ニヤニヤとだらしなく笑うローゼスに対して、その斜め後ろに立つアルファは堅苦しい態度で応える。それが気に入らなかったらしく、ローゼスは声を荒げる。「その態度はやめいと言っておるだろうが!」「あなた様は皇帝になられたのです。一臣下がへりくだることの何が気に入りませんか」「お前は余の側近中の側近。しかも今は2人きりだ。……それに余が皇帝の座につけたのはお前のおかげだろう」「……だからといって僕が偉いわけではありませんよ。陛下」 多くの国を支配する皇帝の位に立つローゼスにとって、着飾ることなく話せる相手は少ない。 その口から1つ言葉が発せられれば、それは帝国の意志として世界中を走り回る。 そのこともきちんと理解しているローゼスだからこそ、何も着飾らなくてもよい“ローゼス”という個人でいられる存在は非常に貴重だ。だからこそアルファにも着飾らないで欲しいのだが、そうはいかない。アルファから見たローゼスは個人であると同時に皇帝であり、その身分の差を弁えないといけないことはわかりきっているのだ。「……まあよい。それより、街でおもしろそうな話を聞いたのだ」「街って、またお忍びで出かけられたのですか⁉ お願いですからせめて僕を護衛にと……!」「ええい、うるさいうるさい! それよりも余の話を聞け!」 こうなったローゼスは自分の言葉を通すまで声を上げ続ける。着飾らなくていい相手だからこそ、そのようなことが許される。それを考えれば、今は自分が聞くしかない、とアルファは諦めた。「はあ、...

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第1話 出逢い
 第57番世界、通称エデン――始まりの者が57番目に訪れた楽園という伝説からそう呼ばれている――。 そこには豊かな土地と鉱物資源、そして強大な兵力で他国に差をつける大帝国――ローズ帝国――があった。その帝国を支配する皇帝の名をローゼス、その右腕となる騎士の名をアルファという。 ローゼスは金髪碧眼の青年で、まだ皇太子と呼べるほどに若い、ギリギリ20歳に見えるような見た目だった。目鼻立ちのすっきりとした美男子で、長い手足を少し邪魔くさそうにしている。その服装は白を基調に金糸をあしらった豪華なつくりだった。 対してアルファは髪も目も黒曜石のように黒く、服は黒地に銀糸をあしらった騎士礼装で、彼も同じ年くらいの若々しさだった「のう、我が騎士よ」「なんでしょう、皇帝陛下」 玉座に腰かけ、ニヤニヤとだらしなく笑うローゼスに対して、その斜め後ろに立つアルファは堅苦しい態度で応える。それが気に入らなかったらしく、ローゼスは声を荒げる。「その態度はやめいと言っておるだろうが!」「あなた様は皇帝になられたのです。一臣下がへりくだることの何が気に入りませんか」「お前は余の側近中の側近。しかも今は2人きりだ。……それに余が皇帝の座につけたのはお前のおかげだろう」「……だからといって僕が偉いわけではありませんよ。陛下」 多くの国を支配する皇帝の位に立つローゼスにとって、着飾ることなく話せる相手は少ない。 その口から1つ言葉が発せられれば、それは帝国の意志として世界中を走り回る。 そのこともきちんと理解しているローゼスだからこそ、何も着飾らなくてもよい“ローゼス”という個人でいられる存在は非常に貴重だ。だからこそアルファにも着飾らないで欲しいのだが、そうはいかない。アルファから見たローゼスは個人であると同時に皇帝であり、その身分の差を弁えないといけないことはわかりきっているのだ。「……まあよい。それより、街でおもしろそうな話を聞いたのだ」「街って、またお忍びで出かけられたのですか⁉ お願いですからせめて僕を護衛にと……!」「ええい、うるさいうるさい! それよりも余の話を聞け!」 こうなったローゼスは自分の言葉を通すまで声を上げ続ける。着飾らなくていい相手だからこそ、そのようなことが許される。それを考えれば、今は自分が聞くしかない、とアルファは諦めた。「はあ、
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第2話 予言
「この小娘を陛下の御前に出せるようなんとかしてくれ」「はい、閣下!」 アルファ付きのメイドであるアリスは、クリーム色の三つ編みを揺らしながら、銀髪の少女を宮殿にあるアルファの私室に備え付けられているシャワー室へとつれていった。「はあ……」 騎士としての礼装に着替えたアルファはため息をついた。 そして昨夜のことを思い出していく。すると少しの頭痛を覚えた。◆◆◆『な、なにをする!』 突然キスをしてきた少女を突き放す。変な力が入ったのだろう、認識疎外のためのキセルがポケットから落ちた。『ああ、ようやく顔を見せてくれたね。“視ていた”とおりの顔だ。ぼくはすきだぞ。君の顔』『何を言って……ちっ』 キセルを慌てて拾い上げたが間に合わなかったらしい。誰かが牢屋に近づく足音が聞こえた。ふわりと少女は抱き着いてきた。『おい……!』『さあ、連れて行ってくれ。見たいんだ。再び外の世界を……』 アルファは舌打ちをすると、少女を抱えて教団から脱出してしまった。そう、してしまったのだ。してしまったからには最良の手を打とうと、いざというときの隠れ家に向かおうとしたのだが……。『そっちじゃない。宮殿にむかえ。ぼくは皇帝と会うことになる』『……陛下だ』 少女のローゼスに対する呼び方に不敬だと感じながらも、確かにあのローゼスの性格からして、自分と予言者が一夜にして消えたらおもしろがって隠れ家まで来てしまいそうだとアルファは思った。 ならば少女の言うとおり、早めに会わせてしまおう。アルファはそう決めた。宮殿なら守りは厚いし、見たところ少女には未来を視る以外の力は無さそうだ。自分が殺される未来を変えるだけの力がなければ未来予知に意味はない、もしものときは自分が切る。そう決意した上での判断だった。 とはいえボロ雑巾同然のままローゼスの前に引き出すのは気が引ける。仕方なくこっそり宮殿に用意されているアルファ用の部屋に連れ帰り、自分付の唯一のメイドにあとを任せた次第だった。 ため息が出そうになるのをこらえると、朝の陽ざし差し込む庭を窓から眺める。ローゼスの名前から各地から献上されることになった色とりどりのバラが庭を埋め尽くしていた。◆◆◆「閣下」 その呼び方に、アリスかと思い振り返ったそこには、見違えた姿のあの少女がいた。「このような、わたくしにはもったいないド
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