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第3話

兄は私をこんなにも憎んでいる。

理由がないわけではない。

彼の言う通りだ。

私が母を殺した。

そして、父も殺した。

母は出産の間近のある日、突然買い物に行きたいと言い出した。彼女は車に轢かれ、病院に運ばれた時にはもう手遅れだった。その後、医者は私を帝王切開で救ったが、母を救うことはできなかった。

彼女は私が生まれた日、死んだ。

母が父の耳元で言った最後の言葉は、「静香を大切にして、彼女にママが愛していると伝えて」というものだった。

その言葉は、酔っ払った父が私の耳元で語ったものだ。

しかし、父は私を無視し続けた。

酔っ払っている時以外、父はたまに私の耳元で何かを言うくらいで、普段は冷たい顔をして私を見向きもしなかった。まるで家に私が存在しないかのように。

そして、先日、私を無視していた無口な父が自殺してしまった。

父は遺書を残した。

兄は私に見せてくれなかった。

父の葬式にも行かせてくれなかった。

行かなくてもいいさ。

どうせ父は私に最後の面会を望んでいなかっただろう。

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