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第17話

作者: 山本七海
でも私は思わなかった。

あかりが私の家に来るとは。

彼女は私の兄を嫌っていて、時々仕方なく私を送って帰る以外、この辺鄙な郊外には来たくないはずだった。

でも私は七日間も電話を取っていなかった。

悠介がドアを開けた瞬間、来訪者を見て、鎖骨のタトゥーと個性的なドレッドヘアを見て、眉を深くひそめた。

彼は口を開こうとした。

「静香はどこに隠している?」

悠介の眉はさらに深く皺を寄せた。

「彼女は明らかにあんたたちと遊んでいるじゃないか!」と蔑む口調で言った。

いつも通り、彼は私と親しい人たちを見下していた。

でも彼が私を貶めるのは許せても、私の友人や姉を貶めることは許さなかった。

あかりの目が少し大きくなり、しばらく呆然としていた。

その後、彼女は冷たい顔をした。

「悠介、あなたは人間なの?

あなたの妹は七日間行方不明なのに、探さないの?

彼女が何かあったらどうするの?」

悠介はドアノブを握る手が少し青白くなり、彼の目の奥に一瞬の恐れを見せた。

彼はすぐに冷静さを取り戻した。

「彼女に何かあるわけがない。

彼女が戻ってこないことを願っている」

あかりは怒って震え、悠介を指さした。「そんな兄がいるから、彼女は自殺を考えるんじゃない?」

あかりは私のことを全て知っていた……

彼女は私がうつ病があったのを知っていた。

あの日、私が高架橋から飛び降りようとしたことも知っていた。

だから彼女は私という知らない人に、あんなにたくさんのことを話してくれたのだ。

最後に彼女の歌を聞きに来ないかと誘ってくれたとき、私は彼女の目の中の緊張と祈りを見逃した。

「何?

静香が自殺した……

どうして?」

そうだ。

私が自殺するはずがない。

私は生きていなければならない。彼の日々の侮辱や苦痛を受け入れるために。

でも兄よ、私の心も肉でできている。

私はすでにあなたのせいで一度死んだ。

二度目はなかった。

兄はまるで独り言のように呟き、または囁いた。

彼は理由もなく家を飛び出し、何かを感じ取ったようだった。

彼は近所で私の姿を探し始めた。

あの夜、本来なら私を追いかけてくるはずだった。

でも、彼は来なかった。

今、この世界で、静香はもう現れることはない。
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