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第20話

拓海とあかりは一緒に悠介に私の骨灰を取りに行った。

二人の目は泣きすぎて腫れていた。

人の感情は時間で計ることができないと思った。たとえば、私は兄と十八年間一緒に暮らしたが、兄は一度も私を抱きしめたことがなかった。

私を愛したこともなかった。

しかし、この世で感じたほとんどの愛情はあかりと拓海からもらったものだった。

私は新たな人生に向かうその夜に死んだ。

「静香の骨灰を返して」

あかりの顔は凍りついたようだった。「静香はあなたのそばに留まりたくないはずだ。彼女の最後の行動は、あなたから離れることだった」

あかりは私の近くで兄を罵る時のように露骨ではなかった。

彼女は体面を保とうとした。

私が彼女と仲良くなることで、見下されることを望まなかったのだ。

「悠介、あなたも静香を恨んでいるよね?」

あかりは悠介を直視した。

彼は目を伏せ、手に私の骨灰を抱えていた。

返事はなかった。

そうだ、彼は何を言えるのだろうか?

あかりは彼を逃がすつもりはなかった。

「そうでないなら、なぜあなたは養女の桜子と共に、自分の妹を追い詰めたの?」

「桜子とは関係ないだろ。彼女を巻き込むな」

悠介は本能的に口を開き、あかりの主張を否定した。

あかりは冷笑し、「もしあなたが桜子を放任していなければ、彼女は静香をいじめたりしなかった。彼女はどうしてうつ病になり、自殺したのか知ってる?」と言った。

「それとも、彼女がした悪事をあなたは何も知らないの?」

悠介が黙っていたのを見て、あかりは苛立ちを隠せず、拓海も私の骨灰を奪おうと前に出た。

「はっきり言ったわ。

悠介、永遠に覚えておいて。あなたの妹は、あなたによって、あなたの自らの手で殺された」

あなたの妹。

それはあなたの手で。

その言葉に聞いて、悠介は体が震え、手を急に放した。

私の骨灰の壺が地面に落ちた。

音は清らかだった。

突然の風が、私のすべてを遠くへ運んでいった。

悠介は気づき、地面に倒れ込んで、私の骨灰を掴もうとした。

しかし、無駄だった。

あかりは遠くを見つめ、涙を浮かべながらも突然笑った。

「静香、あなたは自由になるよ。

もう囚われることはない」
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