第10話

病気になった後、私の気分はとても悪かった。

桜子や悠介に対する態度も以前より悪化していた。

あの試験では、体調不良で少し成績が落ちたが、桜子よりも順位は上だった。

私は嬉しかった。

少なくとも私は成績では、彼女よりも優れていた。

目を上げると、彼女の憎悪に満ちた視線と対峙した。

すると、彼女の口元に陰険な笑みが浮かんだ。

最初はその意味が分からなかった。

彼女が数人を連れて外に出て行った後、彼女が戻ってくると、私が母を殺した不運な奴だという噂がクラス中に広まっていた。

休み時間に戻ると、私の席には死んだ蛇と毒蜘蛛が押し込まれていた。

私の机と椅子は、使えない壊れた残品に取り替えられていた。

肉体的な侮辱だけでは足りなかった。

桜子は私の心を攻撃してきた。

学校を出る道すがら、彼女は得意げに私に微笑みかけた。その小鹿のような丸い目には、どうしてそんな汚れたものが隠れているのだろう。

私は怒りがこみ上げて、頭が真っ白になった。

手に持っていた教科書を全力で彼女に投げつけ、偶然にも彼女の頭に当たった。

彼女はすぐにしゃがみ込み、頭を抱えて悲鳴を上げた。

私はその瞬間、快感を覚えた。

しかし、すべては兄の目に映っていた。

彼は大股で近づいてきて、私を地面に押し倒し、怒鳴った。彼の美しい顔には言葉にできない怒りが浮かんでいた。

まさに「愛のための怒り」だったのかもしれない。

「静香、どうしてそんなに悪意を持っているの？」

頭の中が混乱し、心が締め付けられるようだった。私はもう自分を抑えられなくなっていた。

「そう、私は悪意がある。さっき彼女を打ち倒さなかったことを恨んでいる」最後の力を振り絞って叫んだ。

その声の大きさは遠くの電線に止まっていた雀を驚かせ、周りの誰もが耳にした。

悠介は驚いた。

そして周りの囁きが始まった。

「お前、狂ったのか」

彼は不快そうな顔をしていた。おそらく私が恥ずかしいと思ったのだろう。

でも私はただ微笑んで彼に言った。

「そう、私は狂っている。

悠介、もし彼女が私に何をしたか本当に知っていたら、あなたも狂っていただろう。

真実を知って、後悔する日が来ないことを願う」

私は振り返らずに学校を去った。

もうどうでもいい。

すべてが滅びてしまえ。

何も気にしなくなった。

兄の好意、