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第17話

俺の魂は薫のそばに囚われていたが、彼女は今死んでしまったため、俺の魂も消えるだろう。

最後に空の夕焼けを一目見た。

強烈で、輝かしい。

出発前に、姉にも一目会いに行った。

彼女は私の位牌を丁寧に拭き、両親の位牌の隣に置いてもらった。

彼女に話しかけに行きたい、痩せた彼女を抱きしめたい。

けれども。

俺の魂は徐々に半透明になり、さらに薄まっていく。

目の前にいる親族を見つめるだけで、抱きしめることができない。

魂が消えるまで見続けた。

……

薫の魂は冥界をさまよっていた。

通りかかる霊に会うと、彼女は相手の襟を掴んで、俺の行方を尋ねた。

みんなが言うには、三途の川のそばに狂った女の霊がいると。

ある日まで。

彼女は俺にとても似ている後ろ姿を見た。

薫は狂ったように追いかけていった。

その姿はとてもぼんやりしていて、追えば追うほど遠ざかっていく。

追えば追うほど、遠ざかる。

「勝俊、あなたは本当に私を許してくれないのか?」

薫が大きな声で叫んだ。

「チッ」と俺は答えた。

許さない、生まれ変わっても許さない。

薫はその背中が徐々に遠ざかるのを見て、目に絶望の色が浮かんだ。

彼女はためらうことなく振り返り、三途の川を渡らずに地獄の池に飛び込んだ。

熱い溶岩が瞬時に彼女の霊を飲み込んだ。

薫は転生できなくなった。それはつまり、来世ではもう彼女に会えないということだ。

よかった。

前世は薫のために尽くしすぎた。本当に自分を愛している人は誰なのか忘れたぐらいに。

来世。

俺はまだ知子の弟になりたい、志を同じくする友達と知り合って、本当の世界旅行をしたいと望んだ。

これでいい、これでいいんだ。

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