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第12話

翌日、薫は俺の遺品を整理することに決めた。

俺に関するすべてのものは、薫によって物置に移された。

彼女は数ヶ月間入っていなかった物置を開けたが、俺の物はすでに厚い埃に覆われていた。

その埃を見て、薫はふと俺が亡くなって三ヶ月が経ったことを思い出した。

三ヶ月の時間は、春の芽が枝を伸ばすのに十分あり、氷水が溶けるのにも十分あり、俺の遺品に厚い埃が積もるのに十分だった。

しかし彼女は俺の死を全く知らなかった。

薫は震えながら一つの段ボール箱の前に歩み寄った。その中には俺のすべての物が入っていた。

勝俊は物欲が非常に低く、29年間生きてきて、残したのは数着の単色コートと、色あせたシャツだけだった。

薫はそれらの衣服を広げて、畳んだ。

広げて、また折りたたむ。

十数回繰り返した後、薫は顔がしっとりと湿っているのを感じた。

手を伸ばして触れると、それが涙だと気づいた。

なぜなら、彼女が今手に持って折りたたんでいるのは、かつて彼女がアレルギーで病院に運ばれたときに、俺が彼女にかけたあの服だったから。

薫はこの五年間、勝俊にとてもよく世話をされていたことに気づいた。

この5年間、勝俊は自分の食事を担当しており、お粥はいつも温かく、料理はいつも美味しく、さらには自分の生理周期もはっきりと覚えてくれて、白粥に補血のための黒糖を加えてくれていた。

でも、どうして今まで気づかなかったのだろう。

薫の体が止まらなく震えていた。

遅かった、すべてが遅かった。

彼女は何度も婚姻生活を乗り越えようと、真実の愛を追い求めようとしたが、結局、自分を最も愛してくれていた人が一番近いところにいたことに気づいた。

ずっと、彼女を静かに見守っていた。

誇り高い薫が、今はとても落ち込んでいるように見えた。

彼女は服をきちんと畳み、箱に戻そうと振り返ったが、箱の底に黄ばんだノートが横たわっているのを見た。

薫は、勝俊がこのノートに頻繁に何かを書いていたのを思い出した。

しかし、その時薫は全く気にせず、書かれた内容にも関心を持ったことはなかった。

今。

薫はそのノートを手に取った。

俺の魂は焦りながら周囲を漂い、彼女の行動を止めようとしていた。

しかし所詮魂は魂だ、手に触れられるのは虚無だけ。

薫はノートを開いた。

存在しない俺の息が止まった。
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