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第15話

警察が薫を逮捕したとき、彼女は家で私の遺影を拭いていた。

彼女は逃げなかった、逃げようとも思わなかった。

彼女の手首には銀色の手錠がかかっていた。

薫は安堵の表情を浮かべた。

「警官さん、着替えの衣類を何着か持って行ってもいいですか?」

警察は少し躊躇したが、同意した。

俺は薫が寝室に入るのを見ていた。

俺はすぐに追いかけたいと思ったが、ドアを通り抜けることができなかった。

内心に不吉な予感が湧き上がった。

果たして、数秒後に下から大きな音が聞こえた。

すぐに、誰かが叫んだ。

「飛び降りた……誰かが飛び降りた!」
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