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第4話

まさか、あの子の生命力がこんなに強いとは思わなかった。医者から「赤ちゃんは無事です。あとは安静にしていれば大丈夫でしょう」と言われた。

心の中で失望感が止まらなかった。

おばあちゃんは嫌味たっぷりに母を責めた。

しかし、母はただ黙ってすべての責任を背負い込んでいた。

私は母の体から生気が抜けていくのを感じた。まるで今にも私の前からいなくなってしまいそうだった。

罪悪感、自己嫌悪、そして不安――言葉では表現できない感情が押し寄せてきた。私は耐えきれず、母の手をそっと握り、小さな声で「お母さん」と呼んだ。

母はぼんやりしていたが、私に気づき、優しく微笑んでくれた。

その瞬間、私はほっとして、母の手の甲に顔をそっと寄せた。
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