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第14話

数日後、警察が家に訪ねてきた。

「お前だろ?絶対にお前が通報したんだろう?」

突然の一言で、皆の視線が一斉に私に向けられた。

それに続いておばあちゃんが口を開いた。

「ほらね、やっぱりお前が戻ってきてからろくなことが起きないんだ。この厄介者め、絶対にまた何か企んで俊一を害しようとしているんだよ。最初から川にでも放り込んでやればよかったのに」

頬に平手打ちが飛んできて、すぐに腫れ上がった。口元を少し動かすだけでも鋭い痛みが走る。

普段は腰が痛いだの背中が痛いだの言っているおばあちゃんも、俊一のためとなると急に戦士のように豹変した。

警察が、顔を真っ赤にし目をむいて怒るおばあちゃんを引き留め、場の雰囲気が落ち着き始めたところで、私はこのまま終わらせる気にはなれなかった。

「そうよ、私が通報したの。それで何か問題でもある?」

彼女の目はさらに大きく見開かれ、私は微笑んだ。

「おばあちゃんの大事な俊一がどんな罪を犯したか知ってる?法律を犯したのよ。ふふ......」

おばあちゃんの目から力が抜け、彼女はその場に倒れ込んだ。

私はさらに楽しくなり笑い声を上げると、部屋の中は一気に混乱し始めた。

年齢的に高血圧や心臓病などの持病を持つ人も多く、一度倒れたらそのまま目を覚まさないかもしれない。

みんながツボを押したり、救急車を呼んだりして懸命に対応していた。

そして、ようやく長い溜息とともにおばあちゃんは意識を取り戻した。
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