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第17話

学校の先生が家で事件があったことを知らせてくれた時、反射的に「また俊一が何かやらかしたのでは」と思った。

救急室で横たわる母を目にした瞬間、膝の力が抜けて、その場に崩れ落ちそうになった。

母はベッドの上に静かに横たわり、酸素マスクが顔のほとんどを覆っている。その顔色はシーツと同じくらい白かった。

医師によると、流産による大量出血が原因で、出血は止まったものの、しばらく入院して様子を見る必要があるとのことだった。

おばあちゃんは「また余計な金がかかるわね」と不満げに呟き、父はいつも通りの無表情で何も言わなかった。

流産?どうしてそんなことが起きたのか。

私はゲームに没頭している俊一をじっと見た。彼はゲーム相手に毒づきながら、口汚く罵っていた。

私は彼のスマホを蹴り飛ばした。

「てめえ、何してやがる!?」

彼は凶悪な顔つきでこちらに飛びかかってきた。

「お前だろう、またお前の仕業だ、そうだろう?」

彼は私の意図を理解したようだった。

不敵な笑みを浮かべていた。

「俺だよ、だからどうした?あの歳でまた妊娠して、俺の代わりを生むつもりだったのか?バカじゃないのか」

「最低だ、畜生め!」

彼は私の襟を掴み、引き寄せながら吐き捨てた。

「俺が畜生だって?お前も同じだろ。俺の時だって、お前はあいつを突き飛ばしたんだろう?俺より偉いってわけじゃないんだよ」

酸素が薄れていくように感じ、頭が激しく痛んだ。

かすかな叫び声が耳元で聞こえた。

意識が遠のく前に、ベッドで青白く横たわる母の姿が見えた。すると、忘れていた記憶が次々と蘇ってきた。

思い出したのだ。
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