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第20話

今日は俊一と約束した実行の日だ。彼は父とおばあちゃんをうまく外出させていた。

家の中は静まり返り、弱った母が昼寝しているだけだった。

計画では、母がちょうど眠り薬で意識が朦朧としている間に、私はドアの見張りをし、彼が中に入って毛布で母を窒息させることになっていた。

一見完璧に見えた計画だが、予想外のことが起きた。

彼の「彼女」が突然家に現れたのだ。

艶やかに着飾った女性が、私を一瞥してから俊一の腕に絡みついた。

俊一は初め不機嫌そうだったが、すぐに彼女に誘われて部屋へと消えていった。

ドアが閉まる瞬間、彼女は私に向かってそっとウインクした。

私は冷笑を浮かべた。俊一は私が愚かだとでも思っているのか?

彼の計画は彼一人で完遂できる内容だった。それなのにわざわざ私を巻き込んだのか。

その理由は、母を殺すだけでなく、私に罪をなすりつけようという魂胆だったに違いない。

私は母の部屋に入り、彼女の白くなった寝顔をじっと見つめた。

以前はよく笑っていた母だったが、その笑顔もだんだんと消え、代わりにシワが増えていった。

人生は長いのだから、母には人間らしい幸せを味わってほしい。こんなクズたちに苦しめられるべきではない。

ドアをノックする音が静かに聞こえ、私はドアを開けた。

艶やかな化粧を施した彼女の顔がそこにあり、待ちきれない様子で手を差し出した。

「終わったわよ。じゃあ、お金は?」

私は彼女に一束の現金を放り投げた。

「さすが、昔のクラスメイトね。今度またこんな仕事があったら教えてよ。割引してあげるから」

彼女の言葉には応じず、ただ静かに見つめていた。

彼女の顔には厚化粧が施されていたが、その声は、かつてトイレで私を取り囲んだ時とまったく同じ傲慢さがにじんでいた。

部屋は再び静まり返り、私は携帯電話を取り出して連絡をつけ、すべての手配を終えた後、俊一の部屋に向かった。

軽い寝息が聞こえてくる中、私は枕を持ち上げ、彼の顔に押しつけた。

突然、枕の下で激しい抵抗が起こり、私は足元がふらついて床に倒れこんだ。

「やっぱりお前が悪だくみしてたんだな!俺を殺そうとしたな。ぶっ殺してやる!」

彼は何度も立ち上がろうとしたが、薬のせいでうまく立ち上がれない。

「ははは、ピエロだな。お前、笑えるよ......」

彼は口汚く私を罵り、殺してや
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