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第9話

父は教頭先生との話を終えると、厳しい表情で私の方を振り返った。

私は負けずに父を睨み返した。どうせ男女差別なんだろう。好きに怒ればいい。

「お前のおじいちゃんが......」

父は一瞬、言葉を詰まらせ、なかなか続きを口に出せなかった。

「おじいちゃんが亡くなったんだ」

その時の心情はよく覚えていない。ただ、足がガクンと崩れ、涙が自然に溢れ出てきた。
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