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第12話

学校にいるとき、前世での出来事が映画のように何度も頭をよぎり、ある奇妙な点に気がついた。

高校の寄宿学校は、1ヶ月にたった4日しか休みがなかったが、その4日間だけは俊一以外の皆が妙に慎重に振る舞っていた。いつも「鉄の女」だったおばあちゃんでさえ、怯えたように縮こまっていた。

何か私の知らない事情があるはずで、それはきっと俊一に関係していた。

私は体調不良を装い、数日間の休みを取って帰宅した。

家の中は静まり返っていたが、突然、寝室から短い悲鳴が聞こえ、その後すぐに不気味な静寂が戻ってきた。

その声は短かったが、俊一の部屋から発せられたものであることは分かった。

部屋の扉を開けると、俊一が若い女の子を押し倒していた。

その子は口と鼻をしっかりと塞がれ、涙を流しながら天井をぼんやりと見つめていた。

私は全身が震え、恐怖が体を支配していった。

「何をしているの?」

俊一は驚いて床に尻もちをついた。

だが、すぐに態度を取り戻し、憎々しげに私を睨んできた。

「このクソ女、なんで帰ってきやがった!」
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