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第026話

落ち着かなきゃ!

紗月は深く息を吸い込み、涼介を見上げ、声を震わせながら言った。「もし昨日、遊園地での状況や危険性を検索したのは、あかりが危ない目に遭うのを恐れてのことだと言ったら、信じるの?」

理恵は冷笑した。「じゃあ、その番号は?」

紗月は唇を強く噛みしめ、溢れ出そうな憎しみと怒りを必死に堪えた。「その番号は......」

「友人だ。

彼は私が遊園地に行くと知って、何かあったら大変だからと見守りに来たんだ」

彼女は涼介を見つめ、できるだけ誠実な声を作り出した。

涼介の眉がわずかに寄った。「その友人を呼んできて、俺が直接話を聞く」

「彼はこないよ」

紗月は唇を震わせ、「こんな根拠のない罪を私は認めないし、友人にも説明する義務はない」

そう言いながら、紗月は目を閉じ、冷徹な声で続けた。「今日、私がしたことが計画的なものか、ただ佐藤さんに気に入られるためだったのか、佐藤さんもっともわかっているはずだ」

「私にとって、佐藤さんより、あかりの方が大切だ」

紗月の言葉に、涼介の眉が再び寄り、脳裏に浮かんだのは、観覧車の上で彼を突き落とそうとした紗月の怒りの顔だった。

あの時、紗月はあかりが死んだと思い込み、その目に宿った憎しみと怒りが、今もなお涼介を冷やりとさせた。

「そんな話、誰が信じるのよ?」

理恵は、涼介が迷いを見せると、すかさず彼女の前に飛び出し、二人の視線を断ち切るように間に立った。

「あかりと何の縁もないあなたが、なぜあんなにも親切にしてくれるのか?

涼介の人柄や財産に目がくらんだんでしょう?

こんな卑しい女、何人も見てきたわ。みんな、成り上がりたいだけなのよ......」

理恵は涼介を煽り、紗月に罪をなすりつけようとした。

理恵は知っていた、涼介の力を持ってすれば、責任を紗月に押し付けなければ、やがて真相を突き止められるだろうことを。

しかし、紗月は突然冷静になった。

彼女は頭を上げ、冷ややかな目を向けた。「たった一つの電話番号と一つの閲覧履歴で私を罪に陥れるつもり?

桜井さんが私の通話記録やネット履歴を使って陥れようとするなら、桜井さんの通話記録とネット履歴も調べさせてもらうわ。それくらいは許されるだろう?」

理恵がこの計画を実行したとき、きっと何か証拠を残した。

彼女は覚悟を決めた。

深く息を吸い込み、涼
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