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第16話

幸いなことに、清和は義母をすぐに殺したわけではなかった。

しかし、義母が逃げようとしたことが、清和の目には彼への挑戦のように映った。彼は義母を恐怖で怯えさせ、彼女を混乱させた。

清和の心には、ほんの少しの罪悪感とともに、これまでに感じたことのない快感があった。

最初、清和は私と義父が警察に調べられている間、怒りを露わにしていた。

これは、彼が孝行息子であることを周りに信じさせるためだった。

その後、彼は巨額の保険に気づき、それをわざと警察に見つかる場所に置いていた。

彼は義父に財産相続の権利を失わせたかったのだ。それによって、義母の資産はすべて彼の手に渡ることになる。

外部の人間に渡すくらいなら、自分の手に握らせたほうが良いと考えていた。結局のところ、彼の目には私は彼を深く愛する良き妻だった。

彼は義父との衝突をわざと引き起こし、義父への疑いを増やそうとした。

しかし、彼は私がすでに全てを察していたことには気づかなかった。

だから私は彼を助けて、包丁をわざと義父がすぐ手に取れる場所に置いておいたのだ。

義父が怒り狂った瞬間、彼は必ず近くにあるその包丁を手に取る。

清和が私を押した瞬間、私はその動きに合わせた…...

この一撃で、私は「献身的な妻」として病院に入院し、警察に捜索の理由を与えた。そして、清和は自分が見つかるのではないかと恐れ始めた。

彼は義母がまだ小屋にいるかどうか心配になり、急いで小屋に行った。こうして彼はミスを犯し…...

恐怖に駆られた彼は、事が露見するのを恐れ、最後の手段として義母を残忍に殺害したのだ。

もし誰かが写真を流出させなければ、警察も彼をこんなに早く捕まえることはなかっただろう。

真相が明らかになり、世間の人々は大いに驚き、清和に対する非難の声が相次いだ。

「恩知らずの悪魔!死刑にされるべきだ!!」

「なんなんだ、この家族は…...」

裁判所の判決はすぐに出た。清和は誘拐罪と殺人罪で死刑が宣告され、近日中に執行されることとなった。

田中刑事がそのことを伝えに来た時、彼は新しい親子鑑定書を私に渡した。

その報告書には、私と義母に血縁関係がないことが示されており、清和が義母の実の息子であることが確認されていた。

田中刑事は私に言った。「君は全然驚いていないようだね」

私は顔を上げ、目を輝かせて
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