第65話

高橋家は番組の前に打ち合わせをし、番組中に高橋優子の名前と学校を暴露し、彼女が不道徳であるとする噂を広め、皆に軽蔑されるように仕向けることで、霧ヶ峰市にいられなくし、高橋村に戻ってくるように強制しようとしていた。

一人の少女を破滅させるのはどれほど簡単なことだった。わずかに不道徳な噂を立てるだけで十分だった。

誹謗する者はたった一言で済むが、誹謗された者はその名誉を取り戻すために全ての時間と精力を費やしても、自らを証明できるとは限らなかった。

たとえ真実が明らかになったとしても、誹謗する者は軽々と「申し訳ない」と言うだけで済み、全てがなかったことにされた。

ましてや、高橋優子は実際に佐藤峻介によって裸の写真を拡散されていた。

大奥様は地面に座り込み、膝を叩きながら泣き叫んだ。「優子が家を出たときは、普通の良い子だったのに、どうしてこんなふうに教え込まれたのかしら。立派な霧ヶ峰市立大学の学生が、恥知らずな下賤な女になってしまった！学校で売春し、男と寝ている写真があちこちに貼られている！私たちが霧ヶ峰市立大学に行って優子を探しに行ったとき、入ってすぐに高橋優子が霧ヶ峰市立大学の全ての男と寝たと聞かされたの！尊厳なんてないのかしら！高橋家の顔をすっかり潰してしまった！私はなんて不幸なのかしら！どうして高橋家からこんな恥さらしが出たのか！」

「な、なんて！孫娘をこんな酷い言葉で中傷するなんて！」北田静子は怒りで顔色が青ざめた。「あなたは本当に恥知らずだわ！」

「この臭い女！お前をぶっ殺してやる！」高橋健介は目を剥いてローテーブルを踏み越えて、高橋優子に向かって突進しようとした。

目敏い現場の警備員が素早く彼を押さえつけた。

高橋直步は状況の悪さに気付き、すぐに高橋優子の前に跪いた。

「姉さん！母さんが亡くなったんだから、お願いだから外祖父に会わせてくれ！外祖父には母さんしかいなかったんだ、母さんが亡くなった今……僕たちは母さんの子供なんだから、外祖父に対して母さんの代わりに孝行を尽くさなければならない！僕、絶対に外祖父の前で姉さんの大学のことは言わないから！」

舞台上は混乱し、カメラが下の観客を映すと、一同は静まり返っていた。

高橋優子は冷静な表情で筒井剣夜からマイクを受け取り、落ち着いた態度で舞台上の混乱した叫び声とは対照的だった。

渡辺綾子はス