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第43話

最後に、氷川颯真はやはり冷たいシャワーを浴びに行った。今後もこのような状況が減ることはなかっただろう。

シャワーを終えた氷川颯真は、バスルームから出た。髪を自分のタオルで拭きながら、ベッドに大人しく座っていた橋本美咲に言った。「早く身支度しておいで」

この言葉を聞いた橋本美咲は、ほっと息をついた。急いで氷川颯真のベッドから飛び起き、バスルームに駆け込んだ。

橋本美咲が身支度してた途中。

枕元で携帯の音が鳴り響いた。

それは昨晩橋本美咲が氷川颯真の部屋に来たときに持ってきた携帯だった。

氷川颯真が携帯を手に取ると、表示されていたのは「お母さん」だった。朝の気分が良かった彼の表情は一瞬で冷たくなった。

颯真は電話に出ることなく、ただ音を小さくして、落ち着いて枕元に座った。

バスルームにいた橋本美咲は特に異変に気づかず、自分の髪を整えることに集中していた。多分、昨日泣きすぎて、涙が髪に付いたせいか、髪がひどく絡まっていた。

橋本美咲は長い間、髪を梳かそうとしたが、結局うまくいかなかった。諦めて、まずは髪を洗うことにした。

出ていない電話は、そのまま切れた。

氷川颯真は満足そうに微笑んだ。が、その直後に、うるさい電話が、まるで悔しそうに、再び鳴り始めた。

氷川颯真はまだ自分を整えていた橋本美咲を見て、もう一度携帯を見て、最終的に電話に出ることにした。

電話に出た途端、激しい罵声が聞こえてきた。「バカ娘が、すっかり生意気になったね。昨夜はよくも私の電話を切ったな!」

氷川颯真は眉をひそめ、黙っていた。

しかし、電話の向こうは氷川颯真が黙っていた間も話し続けた。「外でもう十分遊んだだろう。そろそろ帰ってもいいよね!

「早く家に戻れ、あの野郎と離婚しろ。分かった?!

「どうして黙ってるの?」

多分、沈黙が長く続いたせいか。橋本美奈は痺れを切らして、せき立てながら、自分の期待通りの答えを迫った。

その時、氷川颯真はようやく口を開いた。「美咲は今、シャワーを浴びている」

電話の向こうは突然静かになった。そして、氷川颯真は相手が何か言う前に電話を切った。

彼は橋本美咲の携帯の通話履歴から、不在着信の通知と先程の通話記録を削除し、ついてに橋本美奈の番号をブロックリストに追加した。

朝っぱらから美咲ちゃんの気分を悪くさせるな!

全てを終えた後、
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