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第193話

美咲は電話越しに奇妙な感覚を覚えた。千夏の声に違和感を感じた。

その時、電話の向こうから家具が動いていたようなギシギシ音が聞こえてきた。

彼女は一瞬で状況を理解し、「これはやばい」と心の中で思った。

「もしかして、友達のプライベートな時間を邪魔しちゃった?」と焦りを感じながらも、

「ごめんね、気にしないで続けて」と、何とか平静を装って言い、電話を切った。

しかし、顔にはまだ赤みが残り、彼女は恥ずかしさでいっぱいだった。

「なんてこと…恥ずかしすぎる!」

彼女は自分の頬を軽く叩き、さっきの出来事を何とか忘れようとした。

千夏が忙しいなら、他に誰と遊べるだろう?

その時、美咲はふと自分がどれだけ千夏に頼っているかに気づいた。

仕事の日には、みんな忙しいから、友達に仕事をサボってまで遊んでもらうわけにはいかなかった。

美咲は少し困り、誰が自分の暇つぶしに付き合ってくれたかを考えた。ふと、彼女はずっと忘れていた人を思い出した。

そうだ、須山なら暇かもしれなかった。彼は学生だから、指導教師からの課題もそれほど忙しくないだろうし、時間が取れたかもしれなかった。

彼女は少し躊躇しながらも、手机を取り出して、須山にラインでメッセージを送った。

「暇ある?」

須山はすぐに返信してきた。でも、ただ「?」を返信した。

その後すぐに「何かあったの?」と続いた。

美咲は少し恥ずかしそうに「特に大したことじゃないんだけど、ずっと仕事してたから、

「ちょっと休みを取ってリフレッシュしようと思ってね。親友を誘ったんだけど、彼女が忙しくて…」

須山は実験室でスマホを手にし、美咲にメッセージを送った。

「このメッセージって、俺を誘ってるのかな?」

彼は胸の鼓動が高まった。

「もう彼女に変な感情を抱くのはやめようと思っていたけど、友達としてなら……」

理性と欲望の間で葛藤したも、最終的には欲望に屈してしまった。

「それなら、大学に来る?

「ちょうど暇だから」と、すぐにメッセージを送った。

美咲は「うん、大学に行くね!」と返事をした。

そのメッセージを見つめる須山の目には、優しい光が宿っていた。

その時、須山の指導教師がそっと近づいてきて、「須山、後でこの研究レポートの分析をして」と声をかけた。

須山は少し困ったように眉を寄せ、手を合わせて「先生、
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