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第195話

美咲と須山は並んで歩いていた。適度な距離を保ちながら、二人はただ無言で歩き続けていた。

美咲は、須山と歩くうちに次第に気まずさを感じ、心の中で悩み始めた。

「須山とはただの知り合いで、もう少し親しいと言ってもせいぜい古い同級生程度だ」

どうして急に須山の所に来てしまったのか、自分でも理解できなかった。

話題が尽きてしまい、気まずい沈黙が広がった。その瞬間、美咲はその場の空気の重さに耐えきれず、思わず足の指で地面を掘りたくなるほどの恥ずかしさを感じた。

そんなことを考えていると、須山が優しく微笑んで「今日は何かしたいことがある?案内するよ」と声をかけてくれた。

美咲はすぐにその言葉に甘え、「私も久しぶりに大学に来たけど、周りがどう変わったか全然気にしてなかったわ。ぜひ案内して」と答えた。

須山はにこやかに「それじゃ、じっくり案内するよ。

「最近、大学の近くに新しい遊園地ができたんだ。特にお化け屋敷が話題になっているよ」

須山はさりげなく言った。一年生の頃から美咲の好みはもう分かっていたよ。ホラーハウスは彼女のツボに違いなかった。

予想通り、「ホラーハウス」の言葉を聞いた瞬間、美咲の目がキラキラと輝いた。興奮した彼女は須山の腕にしがみついた。

「どこにあるの?どこ?早く連れてってよ!ホラーハウスなんて久しぶりだから!」

須山は彼女の柔らかい手が自分の腕に絡みついていたのを感じ、思わず深呼吸をした。

今はただの友達なんだ、考えすぎるな、と自分に言い聞かせながら、彼は美咲を連れて歩き出した。「ついてきて、でもさ、まだキャンパスに入ったばかりなのに、もう外に出ることになるなんてね」

冗談を交えてそう言うと、美咲は全く気にすることなく嬉しそうに頷いた。

「うん、うん」

二人はキャンパスを後にし、遊園地で楽しい時間を過ごした。

美咲はお化け屋敷やジェットコースターを楽しみ、観覧車やメリーゴーランドにも乗った。

メリーゴーランドに乗る前に、彼女は少し恥ずかしそうに須山を見上げ、「こんなことを楽しむのは子供っぽいかしら?」と尋ねた。

須山は優しく微笑んだ。「そんなことないよ。

「メリーゴーランドは子供だけのものじゃないし、大人にも童心を忘れずにいる権利があるんだから」

その言葉に美咲は安心して微笑み、彼の言葉が胸に響いた。

そして、彼女はす
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