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第13話

「本当にもう疲れた......」

抑うつ症になってからの毎日は、心が重くて、息もできないほどだった。

私は彼の手を自分の手首に押し当て、そこにある恐ろしい傷跡を感じた。

「見て、私は何度も終わらせようと思ったけど、今その願いがようやく叶おうとしている。

どうか、私を解放して。

もう一度だけ、助けてくれない?」

彼は声を上げて泣き、私の首に頭を埋めた。

紗花が私を送り出してくれると約束して、静かに命の終わりを待つことにした。

目を閉じる前に、笑顔を作って言った。「渉真、私はあんたが一番嫌いだ」

彼は真相を解明し、私を陥れた美紀の証拠を見つけて、許しを得られると思っていた。

しかし、時間は戻らないし、傷も消えない。

だから、私は最後に彼を復讐することにした。

私が死ぬのを見せつけて、無力さを感じさせるために。

魂が軽くなり、空中に漂った。

下を見ると、渉真が私の遺体を抱きしめて苦しんでいた。

私は頭を支え、まだ足りないと感じた。

漂いながら私のバッグに触れた。

元々古びた布バッグが突然裂け、汚れた人形が地面に転がり落ちた。

それは彼が昔私にくれたぬいぐるみで、葉山家で見つけたとき、思わず持ってきてしまった。

こんなに長い間、まさか失くさずに持っていたなんて。

渉真はその人形を見て、目がウサギのように赤くなったが、唇は青白かった。

赤い目の鬼のようだった。

彼は人形を強く抱きしめ、大量の血を吐き出した。

彼のお母さんが駆けつけ、彼を罵った。

「こんな結果になるなら、最初からそうしなければよかったのに」

結局、彼は病院に運ばれた。

私は静かに揺れ動き、完全にこの世から消えた。

男主の視点:

目が覚めた後、しばらくボーッとしていた。

手に持っている人形を見上げると、すぐに目が潤んだ。「桜子......」

しかし、世界にはもう桜子はいない。

彼女の骨灰さえ、急いで帰ってきた紗花に奪われてしまった。

私は人形を胸に抱きしめて、心の痛みが少し和らいでから、気を取り直した。

美紀はまだ生きていて、葉山家の両親もまだいる。

私はまだ桜子に会いに行くことはできない。

美紀を復讐するのは難しくない。彼女は自分が世界の中心だと過信しているからだ。

私は佐々木慶一にお金を渡して、彼女を中心広場に連れてくるように頼んだ。3年
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