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第19話

私の心臓が急に痛んだ。甘くておいしいスイカが、たちまち味気なくなった。

私は眉をひそめて黙り込み、手に持っていたスイカの皮を果物の皿に投げ入れて、自分の惨めな姿を黙って拭いた。

鈴木拓海、あなたは無意識に冗談を言っているのか、それとも意図的に私を貶めているのか?

あなたはそんなに素晴らしいのに、あなたが好きだった私は、どうやって努力すれば他の誰かが好きになれるというの?

私にはわからない。この先の人生で、ただ黙って私の若い頃の感情を守り続け、一人で孤独に老いていくことになるのかどうか。

鈴木拓海、人を傷つけるようなことは、もうやめてくれないか?

私に恋愛を許さなくてもいい、でもせめて一人で平穏に生きることくらいは奪わないでほしい。

私から少し距離を置いて、お願いだから。

正月は結局、両家で一緒に過ごした。

私たち家族三人は、早くから鈴木叔父さんに彼らの家に連れて行かれた。母とおばさんは夕食のメニューを考え、父と叔父さんは声を上げて将棋を指していた。

私はすることがなくて、何度か家に帰って自分の部屋にこもろうとしたけれど、おばさんに引き止められ、鈴木拓海の部屋に行って一緒に遊ぶように言われた。

私は断らなかったが、行くこともせず、ソファの隅にうずくまって一人でスマホをいじっていた。

以前の出来事が座右の銘のように常に頭の上にぶら下がっていて、少しでも忘れることができなかった。鈴木拓海は謝ったけれど、私は自分の心の中のその壁を越えられなかった。

こんな私があまりにも気にしすぎなのかどうかはわからない。ただ一つわかるのは、私の心にはいつまでも血を流す長い傷跡があり、きっと永遠に癒えることはないということと。

私は一方で必死に彼を好きでいながら、他方で彼の近づきを拒絶していた。私はどうなってしまったんだろう?

「どうして一人でここにいるの?まるで捨てられた子犬みたいに」

突然スマホを取り上げられて、私は驚いた。

鈴木拓海は背が高くて体格も良かった。彼は片手を私の隣のソファの肘掛けに置き、もう一方の手で私のスマホを目の前に掲げて、私が何を見ていたのか確認していた。

暇を持て余していた私は、かなり前に放送されたドラマを見ていた。選んだのはそのドラマが特に面白いからではなく、長くて時間つぶしにちょうど良かったからだ。

「ドラマを見ているのよ。早く返して」私は手を伸ばしてスマホを取り返そうとしたが、彼は素早く手を後ろに引き、私をちらっと見てからくるりと背を向けて走り出した。「スマホが欲しければ、僕の部屋まで取りに来いよ」

私は彼の部屋に行きたくなかったし、彼の後を追いかけたくもなかった。

でも、スマホの中には彼の写真がたくさん保存されていて、その中には私がこっそり撮ったものも多くあることを思い出した。彼に見られたら余計なことを考えさせてしまうに違いないと思い、仕方なくスマホを取り返しに行った。

私が彼の部屋に行ったとき、彼はすでに机に座っていて、一方の手に私のスマホを持ち、もう一方の手の人差し指を曲げ伸ばししていた。「入って、一緒に見ようよ」

彼は嬉しそうに笑い、整った白い歯を見せ、目には星のような輝きがあった。

鈴木拓海、あなたの好きな人は私じゃないんだから、私に誤解させないで。私が自分の小さな世界を静かに守るのを許してくれないの?どうしていつも邪魔をするの?

「入りたくないの。スマホを返して」私は少し拗ねて答えた。

「入るのが怖いの?はは、佐藤美咲。なんでそんなに恥ずかしがるんだ?子供の頃は何回一緒に寝たかわからないのに、君は3歳の時に僕のベッドでおねしょしたこともあるんだぞ。今さら恥ずかしいなんて、本当におかしいよ」

彼はただ私を部屋に招き入れたいだけで、特に他意はなかったのかもしれない。

私が敏感なのかもしれないけれど、彼の言葉の中に「昔の君は恥も知らず、いつも僕にくっついていた」と言われていたように感じた。

その言葉は十五夜の時の言葉と重なり、また彼がそこに立って冷たい目で私を非難しているのが見えるようだった。

私の心はまた、ちくちくと痛み出した。

私のあの青春、あの甘い思いは、彼にこんな風に誤解されて踏みにじられるべきものではない。

「その頃は私も小さくて、男女の区別がつかなかったんです。ごめんなさい。スマホ、もし気に入ったなら持っていてもいいですよ。私はテレビを見ればいいんだから」私は目を伏せて、静かに言った。

振り向いて部屋を出ようとしたところで、彼は不満そうに私を呼び止めた。「おい、佐藤美咲。そんなに気にするなよ。ちょっとした冗談だってわかってるだろう。女の子ってほんとに考えすぎだよ。ほら、スマホ返すから。僕だってちょっと恥ずかしくなっちゃったよ」

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