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第21話

幸せな日々はいつもあっという間に過ぎてしまうもので、気がつけばもう新学期の始まりだった。

母とおばさんの強い介入のおかげで、私は鈴木拓海と同じ日のフライトを予約することになった。

空港に到着すると、高橋明日香が路肩で首を長くして待っていた。

鈴木拓海は親の目を逃れて、とても嬉しそうに彼女のもとへ駆け寄り、手を握りしめ、額に深くキスをした。

恋愛中の人たちは本当に一日会わないだけで、まるで三年も会っていないように感じるものなのだ。

私はその瞬間、本当に嫉妬してしまい、顔を背けて彼らを見ないようにして、一人で荷物を持ってターミナルに入った。

空港はとても広く、無数の人々がここでそれぞれの行き先へと向かっていった。これが彼らの運命なのだろう。

これからの日々、私たちの生活の軌跡も同じように逆方向に進んでいくのだ。

涙をこらえながら、心の中で彼に別れを告げた。

今学期の学業は前期よりもかなり重く、私は一切の雑念を捨てて、学業に全身全霊を注いだ。

次第に、私の心は静かになっていった。

学部のコンペに参加したところ、成績が予想以上に良く、学部全体を驚かせる結果となった。

客員教授は私の絵を非常に高く評価し、「花開富貴」というテーマで自分なりに解釈した作品を描くように指示してきた。教授は、それが良ければどこかの展覧会に持って行って展示し、私を大学院生として受け入れると言った。

この教授は国画界で非常に高い地位にあり、彼に直接指導を受けることは、国画専攻の学生にとって最高の夢であった。

教授に直接指名された私は、周りの多くの人々に羨まれながら、絵を描くことに精一杯取り組んだ。

一ヶ月以上かけてやっと完成させた絵を教授に提出すると、ちょうど彼は誰かとビデオ会議をしている最中だった。

退室しようとした私に、教授は手招きし、中に入るよう促した。そして、私の絵を持ち上げ、スクリーン越しに見せ、向こうの人たちに評価を求めた。

会議が終わってから、教授はその人たちが彼の研究室の学生であり、オンラインで彼らの課題を指導していたことを教えてくれた。

当然のことながら、私の絵はまたもや非常に高い評価を受けた。

教授は私に向こう側にいた一人の男性とLINEを交換するように提案し、私たちの絵はそれぞれ異なる特色を持っていたので、お互いに補完し合えると説明した。彼は私
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