これは彼女の悪趣味で、昔からそうだった。 ただ、彼女はもうこんな風に溺れることはないと思っていた。 しかし、彼に近づくと、またもや自分が溺れてしまうのを抑えきれなかった。 由佳は体を少し動かし、全身がだるいのを感じた。 昨晩の出来事を思い出し、由佳は口元をひくつかせた。 彼は少しごまかして、何度も「すぐに終わるから」と言いながら、ずっとやめなかった。最後の方では、彼女の意識はもうぼんやりしていた。 実は、彼が7月に出張して以来、二人はその後一度もしなかった。 長い間の空白だった。 彼の技術は素晴らしく、彼女もそれを楽しんでいた。 「起きた?朝早くから何考えてるの?顔が赤いよ。」山口清次が近づいて、笑いながらからかった。 由佳は慌てて否定した。「何も考えてないよ。どうしてまだ起きてないの?」 彼の以前の生活習慣に従えば、この時間には外でジョギングしているはずだった。 「今朝はジョギングしてないよ」 しばらくして、山口清次が突然言った。「やっと分かったよ、どうして古い言葉がそう言うのか」 「どんな古い言葉?」由佳が聞いた。 「女は英雄を滅ぼす甘美な罠」 由佳:「……」 山口清次は由佳の腰を抱き、優しい目で「今起きるか、もう少し寝るか?」と尋ねた。 「もう少し寝る」と由佳が言った。 「少し眠いんだ」 昨晩、二人は遅くまで騒いでいて、ほとんど眠れなかった。 二人は抱き合ってベッドで少しうとうとし、7時にはきっちり起きた。 朝食後、二人は一緒に会社に行った。 まるで以前の状態に戻ったかのようだった。 エレベーターで別れる時、山口清次は由佳の手を引き、彼女の唇にキスをした。 由佳はすぐに彼を押しのけ、他の人に見られないように注意した。 今日も不安な社員たちが、仕事の報告をしていると、山口社長が元に戻り、いつもの爆発しそうな様子ではなく、優雅で穏やかなのに気づいた。 これはとても大きなニュースだった。 目ざとい人はすぐに山口清次の首元の異変に気づいた。 由佳がトイレに行くと、トイレの個室で二人の女性社員が話しているのが聞こえた。 一人が言った。「ねえ、今日山口社長に会った?」 「会ったよ、どうし
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