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第199話

長男は山口清次と山口翔の父親で、山口清次が幼い頃、妻と共に交通事故で亡くなった。

次男は現在山口氏グループの取締役で、普段は会社の業務にはあまり関与せず、代わりに自分でチェーンレストランの会社を経営して忙しくしている。

最後はロサンゼルスに定住しているおばの山口清月だ。

年齢が最も若く、しかも女性であるため、祖父母は特に可愛がり、40代半ばになっても、少しわがままだった。

彼女はまだ結婚していない。

かつて祖父母も彼女の結婚を非常に心配しており、さまざまな青年を紹介していたが、山口清月は結婚に応じず、二人も仕方なく彼女に従った。

最近では養子を迎えたと聞いた。山口家に来てから約十年、由佳が山口清月に会ったのは数えるほどしかない。

由佳はおばが自分を好まないことに気づいておりで、最初は山口清月が帰省してきた際、由佳をまるで空気のように扱った。

その後、由佳が山口清次と結婚した際、山口清月が再度帰国し、敵を見るような目で彼女を見た上、プライベートで会いに来たこともあった。

山口清月は由佳に、山口清次から離れるようにと圧力をかけた。彼女の立場では山口清次にふさわしくないと考えていた。

しかし当時の由佳は山口清次と結婚することに喜びを感じ、未来に対して希望を抱いていたため、山口清月の言葉に屈することはなかった。

二人は不快なまま別れた。

山口清月は山口清次にも接触したようで、二人の間で何が話されたのかは不明だが、それ以来山口清月は再び戻ってこなかった。

とはいえ、山口清月は山口清次を非常に好んでおり、山口翔よりも彼を好んでいるようだった。

山口清次が訪れると知って、山口清月はとても喜んでいた。「おばさん」

山口清月は、目の前の背の高い山口清次を見て、微笑みを浮かべた。

山口清次の横にいる由佳を見た彼女は、一瞬不快そうな表情を見せた。

分かりやすくはなかったが、由佳は敏感に感じ取った。

由佳は動じることなく微笑み、「おばさん」と呼びかけた。

山口清月は視線を山口清次に戻し、笑顔で「中に入ってください」と言った。山口清次は由佳を一瞥し、彼女の手を引いて部屋に入った。

リビングルームはシンプルで温かみのある装飾が施されていた。

山口清月は二杯の温かいお茶を注ぎ、「清くん、会いに来てくれて嬉しい。子供のころたくさんの愛情を注いだ甲斐があった
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