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第206話

由佳が山口清次と加波歩美の間に割り込み、第三者となったというニュースが報じられてからしばらく経つが、その騒ぎは完全には収まらず、加波歩美が何か発表するたびに、由佳の名前が引き合いに出されていた。

特に、先日の加波歩美の誕生日パーティーでは、ファンが加波歩美の誕生日を祝う中で、由佳は再び非難の的となった。

また、由佳の父親のため、記者会見での発言を引き合いに出し、第三者だという噂はメディアによる憶測に過ぎないと主張する者もいた。

しかし、ほとんどのファンはこの主張を受け入れなかった。

この件はメディアでも曖昧に扱われ、真偽がはっきりしないままだったが、今夜、林特別補佐員が電話をかけてきたのは、メディアが再びこの話題を蒸し返したためだった。

山口清次と由佳が再び話題になったのだ。

しかし、今回は曖昧な噂話ではなく、確たる証拠が報じられていた。

メディアは、山口清次と由佳が一緒に帰宅するところを隠し撮りした映像をいくつか公開し、また、山口清次と由佳が宝石店で買い物をしているところや、山口氏グループの地下駐車場で同じ車から降りるところも撮影されていた。

このような証拠が次々と出てきて、もはや兄妹関係では説明がつかなくなっていた。

最初にこのニュースを明るみに出したのは、「感情ゴシップ」という名の投稿者だった。

そのブロガーは証拠を提示すると同時に、一枚の文字入り画像を投稿した。

その画像の中で筆者は、由佳、山口清次、加波歩美の三人をよく知る業界人の口ぶりで、自分の「見聞」を語っていた。

「……実際のところ、驚きました。彼らがこんなことになるなんて思いもしませんでした。大学時代、山口清次と加波歩美は本当にお似合いでした。才能ある男と美しい女、家柄も釣り合っていましたが、残念ですね……。山口清次は今でも加波歩美に対して感情があると思いますが、仕方がないのでしょう……」

「山口由佳とも何度か会ったことがありますが、彼女は……うーん……お高く止まっている。余談ですが、先日、山口氏グループのある総監督が山口由佳を怒らせたと思い込み、異動させられたそうです……考えてみてください……」

「山口清次と由佳の関係は、我々の業界では秘密ではありません。でなければ、なぜ記者が張り込んでいたのでしょうか?山口由佳は非常に賢明で、既成事実を作ってから山口会長に頼んだようで
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