死産を経験した私と妹が同時に離婚した

第1話

私は妹と同じ日に結婚式を挙げた。私たちの夫は、ひとりは消防隊長、もうひとりは警察官で、幼い頃からの親友だった。そのため、同じマンションの同じ階に部屋を買い、隣人として住んでいる。それから間もなく、私も妹も妊娠が判明した。しかし、私の出産予定日まであと10日というところで、マンションで突然火災が発生した。家の中はあっという間に煙が充満し、私はすぐに煙にむせて陣痛が始まってしまった。鮮血が足を伝い、意識が何度も遠のきかけた。震える手で何度も試みた末、ようやく夫に電話をかけた。しかし、彼は苛立った声で私を叱りつけた。「遥、お前病気か？わざわざ俺が出動してる時に電話かけてくるなんて？」「今、唯が謎の犯人に屋上に吊るされて、生死の境なんだぞ！毎日毎日、お前はどうしてそんなに面倒事ばっかりなんだよ！」私が説明する間もなく、電話は一方的に切られた。もう一度かけても、電源が切れていた。死にそうな時、妹が命を顧みず火の中に飛び込み、私を背負って階段を駆け下りた。しかし、そのせいで彼女自身が切迫流産の兆候を示してしまった。そして、マンションの警備員によれば、これは放火の可能性が高いとのことだ。なぜなら、配電室の接地線が何本も人為的に切断されていたからだ。妹はすぐに自分の警察官の夫に電話をかけたが、彼女も同じように怒鳴りつけられた。「お前もお姉さんも、胎盤に脳みそ吸われたんじゃないのか？唯を誘拐した犯人はまだ捕まってないんだぞ。いい加減、仕事の邪魔をするな！俺と翔太は本当にどうかしてたな、こんな姉妹と結婚するなんて！」電話は無情にも切られた。結局、私は病院に着くことなく、その場で死産してしまった。妹の子どもも、同じく助からなかった。私たちは抱き合って泣き、二人とも離婚を決意した。出産後の体は虚弱で、痛みも酷く、全身が震え止まらなかった。携帯から番号を探し出して、かける――そんな簡単な動作でさえ、冷や汗が出て、力が抜けて息が上がってしまう。ようやく5回目の発信で、高橋翔太が怒りを押し殺しながら電話に出た。「今度は何だ！また文句でも言いたいのか？」その声の向こうから、弱々しく、心をかき乱すようなすすり泣きが聞こえてきた。佐藤唯だ。私は自嘲気味に笑い、「離婚しましょう。二人とも、お幸せに」