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第11話

二人はそのまま膠着状態になった。

しかも、時々こちらをちらちらと見て、私たちが逃げ出すのではないかとでも思っているかのようだった。

だが私たちは本当にこの図々しい男たちをもう見たくなかった。

彼らの存在自体が、ただ呼吸と命の無駄遣いだった。

「じゃあ、こうしよう」

少し考えた後、私は言った。「今から、あんたたち二人でそれぞれ花束を買ってきて。走って行かなきゃダメだよ。車もタクシーも禁止。どっちが先に戻ってきたかで、その人をまず許すかどうか考えてあげる」

そう言って、私はスマホを取り出した。「今からタイマーをスタートするね」

妹もすぐに察して、うなずいた。「そう!その通りよ!」

「わかった、静香ちゃん!」

「遥ちゃん、心配しないで!俺は消防士だし、日頃から訓練してるから、絶対にあいつより早いさ!」

二人はその言葉を聞くと、まるで希望が見えたかのように目を輝かせた。

そして、まるで命をかけて走っているかのように、急いで駆け出して行った。

私と妹は顔を見合わせて微笑み、すぐに手を挙げてタクシーを止め、中に飛び込んだ。

「すみません、早くお願いします!変態が二人いるんです!」

彼らが状況に気づいた時には、私たちはもう影も形もなかった。

電話をかけても、もう二度と繋がらないだろう。

なぜなら、私たちはすでに新しい電話番号と飛行機のチケットを手に入れて、別の場所で新しい生活を始める準備を整えていたから。

翌日、ニュースが報じられた。

佐藤唯は悪意のある放火や虚偽通報の罪で、懲役10年の判決を受けた。

そして、高橋翔太と中村直樹はどうなったかというと......

二人が病院で口論していた姿が撮られ、インターネットに投稿されたことで大きな波紋を呼び、二人とも公職から解雇され、さらに半年間の拘留を受けることになった。

それだけではなく、彼らの実家の両親もこのことを知り、相次いで絶縁を宣言した。

これは全て彼らが招いた結果だった!

一方、私と妹は別の町で一緒に花屋を開いた。

毎日、香りに包まれて、笑顔でお客さんを迎えながら、私たちは明るく輝く未来を見据えている。
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