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第16話

初陽は入獄後、懲役十年の刑を言い渡された。

初陽がいなくなると、彼の家族は一気に没落し、かつての栄光は跡形もなく消え去った。

彼らと協力関係にあった森本家も、あっという間に崩れ落ちた。

森本家に残された三人は、ついには路上でゴミを拾うほどに落ちぶれていった。

初陽はある冬の日に死んだ。

その冬、初陽の援助を受けていた母は、無事に手術を終えた。

彼女が目を開けたその日に、初陽からの手紙が届いた。

彼女はそれを読まず、破り捨ててゴミ箱に投げ込んだ。

そして、監獄にいた初陽は、永遠にその目を閉じた。

彼の死により、私はようやく新しい人生を手に入れた。
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