共有

第4話

母が別荘に着いた時、柚咲はパーティーの真っ最中だった。

私が心血を注いで装飾し、整えたこの別荘が、今では様々な色のペンキでめちゃくちゃに汚されていた。

私の部屋の外壁には、赤いペンキでくずと大きく書かれてさえいた。

母が入った瞬間、頭から食べ残しの水を浴びせられた。

柚咲は鼻をつまんで遠くから見下ろしながら言った。「ほら見て、誰が来たのかしら?」

「これって、あのくずの母親じゃない?同じ臭い血が流れてるんだから、こいつもくずに違いないね!」

嘲笑が次々と湧き上がり、母は屈辱に震えながら地面に膝をついたまま、彼女を睨みつけた。

「汐音が美人と呼ばれるのも、見た目が私と似ているからでしょ?本当にお前みたいな顔だったら、それこそお笑い草で、恥ずかしすぎるわ!」

「くずはくず、私の真似をして、私の男を奪い、私の両親をも奪うことしかできないんだから」

柚咲の顔には、侮蔑の笑みが広がっていた。

母は怒りで全身を震わせ、目は赤く、激しく彼女を睨みつけた。

もう少しで、母は彼女の喉元に飛びかかろうとするところだった。

そこに初陽が現れた。

彼は柚咲の手に付いた少しのペンキを慎重に拭き取ってあげながら言った。「どうしてこんなに不注意なの?」

「くずの母親を見たら、気分が悪くなるのよ」柚咲は小さく鼻で笑った。「私の物は?くずを跪かせて、自分の手で返させてよ」

初陽は母の後ろをさっと見渡した。

しかし、私の姿はなかった。

彼の眉間に険しい皺が寄った。「汐音はどこ?」

「柚咲の言うことが聞こえなかったか?電話して彼女をここに呼べ」

彼は命令口調で、傲慢な態度で、母を見下ろしていた。まるで一匹の犬に指示を出しているかのように。

母は初陽をじっと見つめ、ついに堪えきれず、哀しげな笑みを浮かべながら言った。

「汐音は死んだわ」

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status