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第19話

朝日が昇り始めた頃、私は彼を見た。

彼は死んでいた。そして、彼もまた魂となっていた。

彼の執念は無形の鎖となり、私をこの場所に縛り付けた。

私は離れたいと思ったが、彼がいる限り、ここから逃れられなかった。

智也も私を見つけた。

その瞬間、死んだようだった彼の顔に、驚くほどの輝きが浮かび上がった。

智也は無意識に目を瞬かせ、涙が頬を伝って流れ落ちた。「優花——」彼は感極まって、私の手を握ろうとした。

しかし、私は素早く彼を避けた。

彼の手は空を切ったが、それでも希望に満ちた声で問いかけた。「優花、君は俺を迎えに来たのか?」

彼は困惑した表情で言った。「君には分からないだろうけど、この2年以上、俺は君のことをどれだけ想っていたか……」

彼を見つめながら、私は皮肉げに笑った。「智也、私は植物人間になってから、ずっと君たちのそばにいたのよ」

彼の顔色が一瞬で変わった。

「だから、何が起こったのか、全部見てたわ」

次の瞬間、私の目には憎しみが溢れていた。

私は一言一言噛みしめるように言った。「お前は私を騙し、辱め、最愛の母を人間扱いもせず、彼女を嘲笑い、危うく殺しかけた——

そんなお前が、どうして私が迎えに来ると思ったの?」

智也の顔は真っ青になり、彼はふらつきながら前に進み出た。

彼はぐらぐらと数回よろめきながら、思わず前に進んだ。「分かってる、優花、俺は間違ってたんだ——俺はもう自分の過ちに対して代償を払った、そしてお前を傷つけた雪子にも代償を払わせたんだ……

お願いだ……許してくれないか?」

彼は必死に懇願した。「俺は今まで知らなかったけど、本当はずっと君が心にいたんだ。

雪子には、ただ罪悪感があっただけなんだ……」

私は彼を見つめ、突然笑い出した。

「母さんが言ってたでしょ?お前が直接私に聞けって。私が許すかどうか」

彼は唾を飲み込み、再び希望の光が彼の目に灯った。

「許さない」私はきっぱりと首を振った。「絶対に、許さない」

こうして、彼の最後の希望も、私によって断ち切られた。

その瞬間、私は自分の体が急に軽くなるのを感じた。

智也の執念が、突然力を失ったようだった。

彼はもう、私を縛りつけることはできなかった。

私の体は、少しずつ上昇していった。

下を見ると、智也が上を向いて私を見つめていた。

すると、彼
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