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第4話

足がガクガクして、普通に歩くことができなくなった。

二人の若い刑事に支えられて警察署に戻った。

僕は昨夜の出来事をすべて話し尽くした。

目の前の女性刑事は厳しい表情を浮かべて言った。「君、君の親友の龍治が彼女を殺したって言うのですか?」

僕はうなずいた。

三十分後、龍治が呼び出された。

事情を聴取したら、龍治は昨夜は完全なアリバイがあった。

龍治は昨日の夜、格闘技サークルの集まりで、一晩中ずっとそこにいて、一緒にいたクラスメイトが証言できるという。

女性刑事の花綺桜子は厳しく言った。「本当に昨日見たのが龍治だったと確信してるのか?」

「もちろんです、間違いありません、間違いありません」

焦燥感にかられ、すっかり理性を失っているようだった。

「そうだ、録画してたんだ、録画してたんだ」

残された意識が僕を引き戻した。昨日撮影した映像がある、それが証拠だ。

桜子はスマホを受け取り、確認したが、眉間に皺を寄せるようになった。

「耀司さん、私たちはもうお付き合いできませんよ」

その瞬間、僕は自分が昨日撮影した映像がすべてなくなっていることに気づいた。

「きっと龍治が消したんだ、きっとそうだ」

僕は狂ったように叫んだ。

太ももがドクドクと脈打っていた。

僕から有用な情報を引き出すことができなかったので、花綺刑事は僕を支えて警察署を出た。

外で龍治に出くわした。

龍治は僕を連れて帰ろうとしたが、花綺刑事に止められた。

「いや、今は彼の精神状態があまり安定していないから、私が送っていきますね」

元の家には戻らず、寮に戻った。

あまりにも長い間寮に住んでいなかったため、ルームメイトとはあまり馴染んでいない感じだ。

彼らの僕を見る目には、何か怖がるような感情があった。しかし、僕はそれなど気にしていられない。証拠を見つけなければ、龍治が犯人であることを証明できない。

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