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第6話

(城田耀司の視点)

花綺刑事から呼び出された。

「三日前、お前はどこに行ったんだ?」

「覚えてないよ」

彼女の言い方は容赦ない。「三日前のことを忘れられるなんて?」

それでも、僕は必死に思い出そうとした。

龍治。

龍治!

「思い出した。その日、龍治と一緒にいて、彼に誘われて飲みに行ったんだ。断れなくて、気分良く飲んでいたら朝になっちゃって、そのまま彼の家で寝たんだ。

ああ、朝には梨のスープを作ってくれたよ」

目の前の若き刑事は無表情で僕の話をメモしていた。

桜子は隣の人間に目で合図を送った。

その人は慌てて外に出て行った。

二時間後、その人が彼女の耳元で何かを囁いた。

彼女の冷静な視線に初めて感情が表れた。

「あなたの家にはあなたの指紋しかなかったですよ」

僕は無表情で言った。「それは僕の家ですよ。僕の指紋がなければ変でしょう。

それに、誰よりも僕が彼女を殺した犯人を見つけたいと思っています」
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