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第19話

再び耀司に会った時、彼の隣には女の子がいて、名前は紗奈だった。

想いは苦い薬を包んだ飴のように感じられた。

笑顔で彼らに挨拶をした。

耀司は僕を覚えていなかった。

ならば、改めて知り合うことにしよう。

「こんにちは、僕の名前は智博だ」

「こんにちは、僕は耀司だ」

その瞬間、曖昧な意識の中で、太陽の下で本を読んでいる少年の姿が見えたようだった。

彼には彼女がいる。ならば、僕は彼らを守る。今後は決してあなたを傷つけさせない。

それからすぐに、パーティで、耀司はただ龍治を知っているだけでなく、二人の関係も良好であることに気づいた。

耀司は高校時代のことも忘れてしまったようだ。

龍治の襟首をつかんで、なぜ耀司に近づくのか問い詰めた。

彼の答えは僕を驚かせた。

「償いたいんだ。

昔、君たちに正しい道を示せなかったことを後悔している。今は彼に彼女がいるから、君も諦めるべきだ。大学一年間、僕は彼を守ってきた。これで恩返しとして、家に帰って両親に会いにいってくれ」

最初は信じていなかったが、その後の付き合いの中で、龍治は本当に耀司を大切にしていることに気づいた。

耀司には真実を教えていない。もし彼が知ったら、ただ苦しみを増やすだけだろう。

だから、君の幸せを見守ることにしよう。
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