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第17話

(綾瀬智博の視点)

2月3日

今日はママと一緒に買い物に行きました。豚肉を売っているおじさんがいました。

そのおじさんは怖い顔をしていましたが、隣にいるお兄さんはとても綺麗でした。

そのお兄さんは私に飴をくれて、すごくおいしかったです。

そのお兄さんと知り合いたいけど、勇気が出ない。

だから毎日豚肉を買うのを楽しみにしています。

2月8日

今日また豚肉を買いに行きました。うれしい。

2月13日

そのお兄さんがすごく気になる。ママは彼の名前が耀司だって言ってた。

でも僕にはすでに兄がいる。彼は綺麗だから、姉になれますか?

ママにバカだと言われました。

2月17日

彼が恋しい。

2月18日

彼が恋しい。

2月19日

彼が恋しい。……

4月28日

今日、兄がアレの映画を見ていて、一緒に見ろと言ってきたけど、見たくなかった。

5月1日

好奇心に勝てずに見てみたけど、全然面白くなかったし、むかつく感じがした。

5月3日

そうか、男の子同士のもあるんだ。

これが好き。

5月20日

兄が恋人ができたらしくて、罵った。

彼は、「僕が好きなのに、なんで付き合っちゃいけないんだ?」と言った。

僕は、「これは不純異性交遊だ。ママに言うぞ」と言った。

それで彼は僕を殴った。

これが初めて彼に殴られた。

以前はこんなことはなかった、きっと恋に落ちて弟のこと忘れちゃったんだ。

5月21日

今日はまた耀司を見かけた。公園で本を読んでいて、陽光が彼の制服にかかり、唇が赤く見えた。

なんだか心臓がドキドキした。

多分……走って帰ってきたからだ。

6月9日

毎日耀司に会いたい。

すごく会いたい……

6月20日

今日は彼と話した。

すごくうれしかった。

9月1日

学校が始まった。

兄と耀司は同じクラスになった。

それで毎日兄を探す口実で耀司を見ることができた。

今日は教室で宿題をしているところを見た。

ペン先が揺れていて、まるでドラマの貴公子みたいだった。

9月8日

兄が僕の秘密に気づいたみたいだ。

半分冗談で、「お前、毎日僕を探してるけど、誰か好きな人がいるんじゃない?」と聞いてきた。

僕と兄は小さい頃から何でも話す。

顔を赤くして頷いた。

「どこの女の子か?手伝うぞ」

「耀司」

「城田耀司
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