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第10話

耀司の病歴を調べた。

彼は間欠性の記憶喪失症を患っている。

だから、康成に殴られていたことを覚えていない。

ただ、彼が養子になった時の恩恵を思い出すだけだ。

その間、

捜査二班から連絡が来た。事件現場から数百メートル離れた川で、骨切り包丁とボタンが見つかったという。

思わぬ発見だった。現場に目撃者がいたのだ。

目撃者は、「あの晩、散歩中に赤いドレスを着た人が川に何かを投げ捨てているのを見かけた。急いで家に帰ったので、特に気にしなかった」と述べた。

「男なのか、女なのか確認できた?」

彼は頭を振った。「赤いドレスを着ていたが、体格は大きい方で、男のように見えた」

犯人はおそらく男だ。

なぜ赤いドレスなのか?
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