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第25話

大和は彼女をすぐに制止した。

彼は私を一瞥し、手下に向かって手を振りながら命じた。「彼女を警察に連れて行け」

「はい!」

黒服の男たちは私を押さえつけて外に連れ出した。

......

葉山家の門前で、思いがけず拓真に出くわした。

彼は高級車から降りてきて、手には由美子への贈り物を持っていた。

スーツ姿で、一歩離れたところで足を止め、私をじっと見つめていた。

陽光の下で、拓真はいつも通りの端正で威厳ある姿だったが、その表情にはこれまで見たことのない冷たさが漂っていた。

一瞥だけを私に向けた後、まるで私を知らないかのように振り返り、歩みを進めた。

胸が締めつけられ、呼吸が苦しくなった。

ふん!

お互いがまるで見知らぬ人のように通り過ぎる―これがその感覚だろう。

まあいい。

私は彼を利用していただけ、目的を果たすための関係だった。もう何も未練はない。

それでいいんだ。

「早く行け!」黒服の男が私の背中を押し、私はよろめいた。

そして、そのまま警察に連れて行かれた。

......

由美子は顔の治療のために運ばれた。

大和はポケットに手を入れたまま、その場に立ち続け、何かを考えているようだった。

その時、手下が慌てて近づいてきた。「若旦那様、6年前に会館で見たあの女性のことですが、ついに情報が入りました」

大和はその言葉にすぐ反応し、手下に目を向けた。

手下はその様子を見て、すぐにクラブのマネージャーを呼び寄せた。マネージャーは恐縮しながら、スマートフォンを取り出し、大和に差し出した。

「葉山様、6年前、私がビデオを撮っていたとき、偶然にもあなたのお部屋から出てきたあの女性を撮影してしまいました。

こちらです。ご覧ください!」

大和は慌ててスマートフォンを手に取り、画面に目を落とした。

その瞬間、彼の瞳孔が縮まり、まるでその場に釘付けにされたように動けなくなった。「どうして......どうして彼女なんだ?」

......

私は拘置所に入れられた。

中には何人かの女性がいて、私が入ると彼女たちは私をじっと見つめていた。

私は気にせず、静かに隅に座り、ただ黙っていた。

心の中は静かだった。

ここに来る覚悟はできていた。

これが私の選んだ道であり、受け入れるべき結果だった。

それでも、息子の骨を取り戻せるのなら、
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