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第30話

大和は深いため息をつき、申し訳なさそうに私を見つめた。「雪村、ごめん。由美子の代わりに俺が謝る」

私は複雑な思いで彼を見つめたが、最終的にそっと首を横に振った。「悪いのは彼女、あなたじゃないわ。

大和、あなたは帰って、まず家族の問題を解決して」

「分かった。俺がちゃんと解決するよ。由美子にはもう君を傷つけさせない。雪村、後でまた君に会いに来る」

大和が去り、狭いアパートは再び静けさに包まれた。

私は振り返り、ソファに体を沈めた。

頭の中は混乱していた。

その時、またノックの音が響いた。

私は驚き、眉をひそめた。大和は帰ったはずなのに、なぜまた戻ってきたのか?

「また何か......」

ドアを開けようとした瞬間、言葉が途切れ、黒い影が素早く中に押し入ってきた。

不意を突かれ、腰を強く掴まれ、唇が突然塞がれた。

「んっ......!」

息が詰まり、キスの勢いで頭がくらくらしてきた。

バランスを崩し、顔が熱くなる。

ドン!

私は男と共にソファに倒れ込んだ。

この強引で侵略的な香り、忘れるはずがない。拓真だ。

体が絡み合い、息遣いが近づく。

でも、どんなに親密でも、今では別の世界にいるかのように感じられた。

心の奥で痛みが広がり、私は彼の肩を掴んで、無理やり引き離そうとした。

しかし、私の反応が彼の不満を引き起こしたのか、彼はさらに強く、容赦なく私を攻め続け、小さな舌を激しく吸い上げた。

彼の手が私の寝間着の下に滑り込み、容赦なく揉みしだいた。

その執拗な攻撃に、私の体はついに緩み、目元に涙が滲んだ。

体は抵抗する力を失い、だらしなくなっていく。

息ができなくなり、ようやく拓真は私を解放してくれた。

彼は私の顎を掴み、無理やり私の目を彼の鋭い瞳に合わせさせた。彼の目には怒りが宿っていた。

「どういうことだ?たった数日俺が放っておいたくらいで、もう我慢できなくなったのか?

葉山の方が俺より上手くやったのか?お前を満足させたのか?」

「あんた、最低だわ!」

私は息を詰まらせ、目に涙を浮かべながら彼の胸を叩いた。

しかし、力がほとんど入っておらず、猫が遊んでいるかのように無力だった。

彼は私の手を掴み、追及を続けた。

「葉山はお前に何かしたのか?

どうなんだ?」

私は唇を噛み、何も言わずに黙っていた。

「答え
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