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第27話

ぼんやりしている間に、大和はすでに部屋に入り込んでいた。

「何をするつもり?」私は冷たく彼を一瞥した。

私の冷たい態度にも気にすることなく、大和はそのままソファに腰を下ろし、「ちょっと客人になろうと思ってな」と言った。

「ふん!」

私は軽く鼻で笑った。

彼が客人?不意に現れた迷惑な客の間違いだろう。

だが、全身が痛んでいて、彼に構う気力もなく、私はそのまま小さな寝室に引っ込んだ。

薬を塗り、ベッドに横たわり、布団をかぶった。

頭がぼんやりしていて、そのまま眠りに落ちた。

もし彼が由美子の復讐を企んでいるのなら、私はどうにもならない。逃げることはできない。

そうでなければ、いずれ彼も帰るだろう。

私はぐっすりと眠り、目を覚ました時にはすでに夜だった。

お腹がぐうぐうと鳴っている。

空腹だったのだ。

私は苦笑いを浮かべた。

息子が亡くなってからというもの、一人きりで何もかも適当に済ませていた。

食事もなるべく我慢して、どうしてもお腹が空いたら何か適当なものを口にする程度だった。

しかし、今は......

体が痛んで動きたくない。

仕方なく出前を頼もうと思い、スマホを手に取ったその時、突然、どこからか料理の香ばしい匂いが漂ってきた。

......まさか?

疑念を抱きながら、私はベッドを降りてキッチンへ向かった。

......

キッチンの入口で私は立ち止まった。

大和は帰らず、なんとキッチンで......料理をしているではないか!

彼は白いシャツの袖をまくり上げ、たくましい腕が見えていた。身長が180センチ以上もある彼が、この狭くて古びたキッチンに立っている姿は、まるで場違いだった。

動きは不慣れな様子。

お粥の鍋の蓋を開けた時、彼は中を覗き込みながら、うっかり鍋に触れてしまったらしい。熱いお粥が飛び散り、手の甲にかかった。

「ちっ......」

熱さに顔をしかめ、彼は眉を寄せた。

その表情にはどこか不器用さと、少し子供っぽい苛立ちが見えた。

普段、ビジネスの場で冷静に物事を操り、強気な姿を見せている彼が、今この場では全く勝手がわからないように見えた。

何とも言えない光景だった。

「ふぁ......」私は大きなあくびをし、ドア枠にもたれかかりながら、彼をからかうように言った。「葉山さん、これは一体どういうこと
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