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第14話

「んんっ......!」

拓真が短く唸り、快感の電流が彼の背骨を駆け抜けた。

まさに魂まで私に奪われてしまったかのようだった。

彼はもう逃れられず、欲望に溺れていく。

私の腰を掴むと、彼はさらに激しく動き始めた。

その時―

バンッ!

突然、部屋のドアが開いた。

由美子が中に入ってきたのだ。

私の長い睫毛には涙が溜まり、復讐の喜びと拓真が与えてくれた快感が重なり合い、私は思わず声を漏らしてしまった。

拓真は私の上に倒れ込んだ。

由美子は入り口で凍りついたように立ち尽くし、目の前に広がる信じがたい光景を目にして、全身の血の気が引いた。

まるで雷に打たれたかのような衝撃が彼女を襲った。

「う、嘘でしょ......!!」

次の瞬間、由美子は心の底からの絶叫を上げた。

拓真は私の上から降り、急いで布団を引き寄せて、私の白い肌を覆った。

そして、ベッドのサイドランプを手に取り、由美子の足元に向かって勢いよく投げつけた。

「出て行け!」

由美子の表情は崩れ、彼女の体からは怒りの波動が絶えず溢れ出していた。

「雪村!このクソ女!お前を殺してやる!」

彼女は狂ったように私に飛びかかろうとした。

私は心の中で喜びを感じつつも、怖がっているふりをして、布団の中に身を縮めた。白い肩が少し見え隠れし、「奥様、お願い、やめて!私を殺さないで......」と怯えた声を上げた。

拓真が手を伸ばし、由美子を引き止め、私に近づけないようにした。

由美子は必死に足をばたつかせ、拓真を振り払おうとしていた。「拓真、どうしてこんな女と!私を放して、この女を殺してやる!」

拓真は力強く由美子を押さえ込み、顔には苛立ちの色を浮かべた。「由美子、鈴は今や俺のものだ。お前がまだ榊夫人でいたいなら、彼女には手を出すな。

それに、あのチンピラどもを使って彼女に危害を加えるようなこと、二度とするな。分かったか?」

由美子は完全に崩壊し、耳障りなほどの鋭い声を上げた。「拓真、どうしてこんなことをするの?私こそ榊家に認められた正妻なのよ!彼女なんてただの泥棒猫よ!」

私は拓真の背後に隠れながら、冷たい視線で由美子の狂った顔を見つめた。

計画通り。

彼女は長い間、拓真の愛を得ようと必死に頑張っていたが、その全てが無駄だった。彼女が手に入れられなかったものを、私は簡単に手
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