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第13話

南朔はにこやかに笑っていたが、その穏やかな表情には、自然と漂う権力者の威圧感があった。私でさえも息が詰まるほどだったし、母に対して威張っていた男たちも、恐れおののいて座ることさえできなかった。

「特別な状況だから、特別に処理するんだ」彼は笑いながら、隣にいる男の肩を軽く叩き、その声色は低く伸ばされていて、不機嫌なわけではないのに威圧感があった。「俺が教えるまでもないだろう?」

「い、いえ……佐木さん、酒をお注ぎします。もっと早くにお迎えすべきでした。車を降りられた瞬間から地に伏せて待つべきでしたよね?」

私は母の手を支えながら、彼女が震えているのに気づいた。酔っ払っているのか、何か他の理由があるのかわからなかったが、彼女は南朔をじっと見つめていた。もしこのまま彼女が何も言わないでいれば、状況が悪化するだろう。

慎一が言っていたように、他人に恨みを買わないためには、時に手を引くべきだ。このままでは母の商売がさらに苦しくなるかもしれない。

私は仕方なく前に出て、母に飲ませようとしていたボトルを取り上げ、周囲の男たちに順にお酌してまわった。彼らに体面を保たせた後、ボトルは底をついた。

すべてが無事に終わったとき、私の心に重くのしかかっていた石もようやく下ろされた。

「佐木さんを義父と呼んだ甲斐があったな」そう思い、私は涙をこぼしながら微笑んだ。慎一に頼る必要なんてなかった。私は母をしっかり守ることができる!

「三日で謝りに来る?」彼が三日後に受け取るのは、私の離婚届だけだ!

涙がこぼれそうになっていたとき、南朔は私が感謝していると勘違いし、優しく言った。「佳奈、送ってくれなくていいよ。次は旦那さんも連れてきて、みんなでお茶でも飲もう」

私はそれほど無礼ではないので、彼を車まで見送った。彼は車に乗る前、私の手を握って軽く叩きながら、「佳奈、大きくなったな。大人になったのはいいことだ」と話した。

彼の乾いた指が私の目元をそっとなぞり、彼が涙を浮かべているのかはわからなかったが、とても満足そうな表情をしていた。「もう一人前だ。あの古い友人も天国で安心しているだろう」

父のことを話され、私も感慨深くなった。お酒の影響もあって、彼は父の若い頃の話をたくさんしてくれた。

結局、助手が彼に声をかけてようやく帰る
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