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第17話

母が目を覚ますと、警察署にいた。

山下警部が説明した。「どれだけ説明しても信じてもらえなかったから、結奈の携帯を使ってメッセージを送ることにした。最後に真実を理解してほしかったんだ」

「お前は川辺で大きな混乱を引き起こし、影響が大きかった。責任を免れるわけにはいかなかった。幸い、俺たちは早々に優子が死を偽装するよう図っていることに疑いを持ち、捜査を進め、事件解決に遅れはなかった」

母は無表情でうなずいた。

母は虚偽の情報を流し、社会秩序を乱した罪で有罪判決を受けた。

服役前に、私の遺体を見に行った。

彼女はすでに腐敗した私の体を抱きしめ、硫酸で焼かれた顔に軽くキスをした。

「莉奈、ママが連れて帰るから」

彼女は一度も私に言ったことのない、しかしよく知っている言葉だった。

母は私を火葬場に連れて行った。

私の姿は血まみれから、小さな骨箱に変わった。

母は私の骨箱を持って、観覧車に乗った。

そして、私の骨を姉の隣に埋め、姉の墓碑銘を結奈に変えた。

彼女は娘を一人も残さなかった。

優子の死刑も間近に迫っていた。

その日、母は高層ビルに上がり、飛び降りた。

私は彼女の血が地面に広がるのを見て、姉が死んだときと同じくらい慘澹たる光景だった。

そして、私の体も少しずつ透明になっていった。

「さようなら、ママ」
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