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第14話

私の頭が一瞬で爆発した。

結奈じゃない?あり得ない!

あの時、私はっきりと彼女が私を抑え、刃を胸に突き刺すのを見た。

彼女が私と同じ顔をした毒々しい表情と、その瞬間の激痛は私の心に深く刻まれている。

しかし、母は驚きの色一つ見せず、鋭い声で叫んだ。「結奈じゃなかったんだ!」

山下の話を聞き終わる前に、電話を切った。

周りの人々が警察を押しのけ、一斉に「結奈を殺せ」と叫び始めた。

近くの警察官が秩序を維持しようとし、母にブログを削除するよう求めたが、彼女は無視した。

「私の娘が死んだのに、死後の名誉も与えられないのか!」

私は急に疲労感に襲われた。

世界中が結奈のために正義を主張している。

誰も、私がどの冷たい隅で死んだのか気にかけてはくれない。

母の耳元で真実を告げても、彼女は理解しないだろう。

彼女は聞きたくないんだ。

人波が押し寄せ、母はその騒ぎの中、魂を失ったように川辺に向かって歩き出した。

私は彼女を止めようと試みたが、彼女の体は私の腕を通り抜けていった。

結奈がいない世界では、彼女も生きる気力を失っていた。

私は急いで涙ぐみそうになった。

どうして何も知らないのに、結奈の供養のために命を投げ出してしまうのだろう?

彼女が欄干に半分乗り上げたとき、スマホが特別な通知音を鳴らした。

母は無神経な目で画面を見たが、体が突然固まった。

彼女の体が柔らかくなり、欄干から地面に落ちた。

再び立ち上がったとき、彼女の目に抑えきれない狂喜が浮かんでいた。

そのメッセージは、自殺した結奈から送られてきたものだった。

そこには、一つの住所が記されていた。
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