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第5話

犯人がそんなに傲慢で、メッセージで挑発までしてくる。こんな明らかな手がかりを、母は絶対に見逃さない。

母は目を伏せ、その写真をじっと見つめ続けた。

やがて、彼女の手が震え始め、少しずつ力を入れて拳を握りしめた。爪が皮膚に食い込むほどに。

顔色は次第に険しく、驚愕の色が浮かんだ。

助手がチャット画面を見て、少し慌てた様子で言った。「まさか、莉奈が……」

母は鋭い声で遮った。「そうだ、莉奈だ!」

目が赤くなり、顔色は青白かった。胸が激しく上下し、受け入れられない悲報を受けたかのように見えた。

私は顔を覆い、嗚咽を抑えられなくなった。

大きな涙の滴が頬を伝い落ちた。

母さん、あなたも私を気にかけてくれていたんだ。

私が死んだことを知って、心を痛めてくれたんだ。

私は母の胸に飛び込み、透明な手で彼女を虚ろに抱きしめた。

彼女の体温が、まるで私の魂に伝わってくるようだった。

しかし、彼女は目を爛々とさせて、絶望的な声で叫んだ。「分かっていた、また彼女が人を殺したんだ!」

私……私が人を殺した?

私は凍りつき、信じられない表情で彼女を見つめた。

彼女の顔は苦悩に歪み、目からは止めどなく恨みが溢れていた。

その深い苦しみの表情が、私に大きな恐怖を植え付けた。

「彼女が人を殺して、写真まで送ってくるなんて……分かっていた、彼女は人間じゃない、悪魔だ!」

私は茫然自失となった。

母さん、何を言っているの?

彼女の声には深い恨みが込められていた。「彼女が家賃を払わないのも、逃げたからだろう」

頭に冷水を浴びせられたような衝撃で、心の中の希望が消えた。

運命はまたしても私に残酷な冗談を弄んだ。

私は一度も彼女からの信頼を得たことはなかった。私たちの間に横たわるのは、果てしない憎しみだけだった。

幻想は完全に砕け散った。

母の喉は枯れ、手を震わせながら、私のチャット履歴を警察に転送した。

助手がようやく我に返り、母の手をつかんで言った。「莉奈に何か起こった可能性はないか?」

しかし、母はすでに理性を失い、即座に手を払いのけ、怒りに満ちた声で反論した。「あの狂人が何か起こされるわけがない!早く捕まえなければ!」

助手は困惑しながら言った。「そんな酷いことをするのも、彼女らしくないけど……まずは事情を聞いてみないか?」

母は吼えた。「
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