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第11話

真実が目前に迫っていた。

私は手のひらが震え、胸のあたりを押さえた。

あの日、彼女が私を殺害するシーンが脳裏に甦った。

母は一瞬呆然とした。

しかし、待っていたのは彼女の反省ではなく、突如として爆発した怒りだった。

「私の娘が川に飛び込んで行方不明になったんだよ!私は彼女を探しに来たんだ、殺人犯の汚名を着せるためにじゃない!」

山下は彼女の精神状況を考慮し、一呼吸置いて説明しようとしたが、すぐに鋭い声で遮られた。

「まさに、彼女の妹が殺人犯だから、そしてお前らのような真偽を見分けられない警察がいるから、結奈は川に飛び込んだんだ。お前らが彼女を追い込んだんだ!」

山下も逆恨みされ、怒りが込み上げてきた。

「ともかく、今晚の血液検査結果が出る。死んでいるのが莉奈かどうか、すぐにわかるだろう!」
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