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第36話

「文哉の彼女じゃないか?」傍の御曹司が急に言い出した。

文哉と仲がいいから、真弓と数回会ったことがある。真弓がきれいだと彼はとっくに分かったが、今宵の真弓がダントツに美しく見えたので、分からないほどだった。

「文哉と一緒に来ただろうか?文哉を探してくる」御曹司が優しかった。

美しい人が皆に好かれるから、彼は真弓が可哀想と思った。

「文哉がどうかしたのか、こんな女に見惚れたなんて!」近くの女がまた揶揄い始めた。

「この前、二人の婚約パーティーが火事で台無しになったじゃないか?神様も文哉がこんな女に騙されることを見てられなくなった......」

真弓は静かに聞いて、何の反応もなかった。

すでに慣れたので、どうでもいいと思った。

頭を下げて招待状を取り出そうとした。

文哉が御曹司の親友に連れられて来た。

「千葉さん」スタッフが敬意を払って話しかけた。「鈴木さんが招待されずに入って来たと報告されたので、彼女は千葉さんの連れでしょうか?」

「真弓、どうして来たの?」文哉が不思議そうに聞いた。「体の具合が悪くて来ないと言ったじゃないか?」

明らかに、真弓を彼が連れて来たのを否認した。

真弓は冷笑した。

瑠璃子が元々緊張して、文哉が真弓を助けるのを受け入れたくなかった。

文哉の話を聞いて、瑠璃子の気分がすぐ良くなった。

これで真弓が胡麻化して入ったことを証明したじゃないか!

世間に知られたら、真弓は面子が潰れるだろう!

「本当に胡麻化して入ったのか?可笑しい!」近くの女がさらにでたらめを言い始めた。

「真弓はまさか上流社会の笑われ者だ......」

「上流社会と言えるのか?既に鈴木家に追い出されて、もし、文哉と付合いしなかったら、相手にされる人はいなくなるわ......」

「早く追い出してよ、みっともない!」

スタッフが文哉の話を聞いて、直接真弓に言い出した。「申し訳ありません。鈴木さん、招待状がないと宴会に出席できませんので、こちらへどうぞ......」

話が終わらなかった。

真弓が金色の招待状を取り出してスタッフに見せた。

目前の全ての人達が凍り付いた。

真弓が本当に招待状を持っていたのを信じられなかった。

現場の女達がほとんど両親か旦那と一緒に来たのだ。

単独で招待状をもらったことがなかった。

「本物かどうか調べてみ
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