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第97話

真弓はオフィスに座って、携帯を見てみた。ニュースが降ろされた。

当然のことながら、それをやったのは達也だと知っていた。

心の中では気分の揺れもあったが、抑えていた。

暫くしてから。

礼子がツイッターで投稿した。「誰でも過去があり、でも、これらの過去は本当かどうか、誰でもわからない。ある人達に、善良でいてほしいとお勧めする!」

この投稿は明らかに真弓を支持していると同時に、真弓が悪い人に嵌められたと表明していた。

瞬く間にネットユーザーの間で激しい議論を引き起こした。

礼子がお金のために良心を捨てて、価値観が間違ったと非難する人がいた。

また、礼子の正義感を支持して、星野グループの契約費用が彼女の多くの契約費用の中で極わずかの比率を占めていたので、彼女がこんな少ない金額のためにキャリアに影響を与えることをするわけがなく、きっと裏があると指摘した人もいた。

ネットで一挙に話題が広まった。

暫くして、真弓が記者会見を開くことがネットにヒットされて、瞬く間にトレンド入りした。

マイナスのコメントを抑えてから、ネットユーザーが今回の事件の信憑性について議論し、推測し始めて、真弓への攻撃がこの前より弱まって来た。そして星野グループが無条件でお客さんの返品を受け入れると正式に発表して、さらに世間の人達に好感度を抱かせた。

半日も経たない内に、最初の真弓への強い非難から、事態の発展に伴い、ネットユーザーが反転を期待し始めた。

今のところ、真弓の対策はどっちも人の反感を引き起こさなかった。

ネットユーザーの反応の変化を見て、文哉は極めて不機嫌な表情を浮かべた。

ここまでやって来たので、真弓に逆転勝ちのチャンスを与えるわけにはいかない。

彼は早速いくつかの有名なメディアの編集長に電話をして、明日の記者会見で真弓に恥をかかせるよう曖昧に頼み、そして感謝すると表明した。

文哉は再び真弓に電話を掛けた。

ニュースを見ている真弓が文哉からの着信を見て、電話に出た。「もしもし」

「無条件で返品を受け入れたと聞いた」文哉が皮肉った。

「文句あるのか?」

「真弓、これだけで6億円の損失が出るぞ。また追加生産した20万枚を含めて、損失は20億円を超える」文哉が冷笑した。「星野グループの市場価値はいくらだ?もし投資家がいなければ、君は潰れるのを待つだけだ」

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