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第43話

真弓の目が鋭くなった。

紀子が向きを変えて傲慢に去って行った。

真弓が無茶して残るわけには行かないと思った。

その時。

「びりびり」

布を引き裂く音が突然ホールの中で響いた。

紀子が2秒ぐらいぼんやりした。

自分のチューブトップのドレスが突然引き裂かれたのを見て信じられなかった。肌色のバストが皆の前に現れて、紀子が死ぬほど恥ずかしくなった。

瑠璃子も傍にいたが、びっくりして動けなかった。

紀子の惨めな姿を見て、彼女は傍観することにして、しかも2歩離れた。明らかに紀子と距離を置くことにした。

紀子は自分の胸を両手で抱えて、振り返って和彦を強く睨んだ。

和彦のピカピカ光った革靴がしっかりと紀子のドレスの裾を踏んでいた。彼は無邪気な表情で言った。「おばさん、僕のような子供を苛めないでしょうね。僕はまだ6歳です。わざとじゃありません」

紀子が怒って顔から首まで赤くなった。

このクソガキは彼女がさっき話した言葉を使って攻めてきたのか!

樋口達也のお子さんじゃなかったら、パンチを食わせて殺してやると思った。

「おばさん、ドレスも敗れたので、こんな大切な場に居続けると不味くて、しかも僕のおお爺さんとパパに失礼でしょう」和彦が黒い目を瞑って、とてもピュアで人畜無害だった。

真弓が我慢できず笑ってしまった。

和彦のこの高い知能は遺伝されたのか?!

自分の目で見てないと、6歳の子供がこんなに早く反応するとは信じられなかった。

正直に言うと、彼女もこのような復讐の仕方を考え出せない。本当にざまを見ろ。

「ああ!」紀子が耐え切れず狂ったように叫び出した。

まさか子供にここまでいじめられるとは思わなかった。

康夫と晶子がすぐに駆けつけて来て、娘の惨めな姿を見て、顔色が暗くなった。

康夫はスーツを脱いで娘の肩に掛けて彼女の恥ずかしさを隠した。

「お父さん、彼がわざと私のドレスを踏んだの」紀子が康夫を見て、泣きながら言った。

康夫が和彦を見つめた。和彦も恐れることなく無邪気な顔で彼を見返した。

康夫が敢えて和彦の機嫌を損ねられないので、娘に冷たく言った。「お母さんとさっさと帰って、恥をかかせないでくれ!」

「お父さん!」紀子がこのまま帰りたくなかった。

「どうしたの?」低くて魅力的な声が伝わって来た。

真弓は視線を向けて。達也の背高い姿
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